2015年10月09日
お家騒動のロッテグループ、創業者の長男が「父の委任受けた」と次男を提訴
 しばらく静かだったロッテグループのお家騒動で新たな展開ですね。
 創業者の辛格浩(シン・ギョクホ、日本名:重光武雄)氏の長男、辛東主(シン・ドンジュ、日本名:重光宏之)氏はグループの経営権争いで、次男の辛東彬(シン・ドンビン、日本名:重光昭夫)韓国ロッテグループ会長に完敗した形となっていましたが、今度は法廷闘争に乗りだし、本格的な反撃に転じました。
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 聯合ニュースによると、東主氏は本日、ソウル市内のホテルで記者会見を開き、格浩氏から法的な権限を委任されたとしながら、「韓国と日本でロッテホールディングス(ロッテHD)などを相手取り訴訟を提起した」と明らかにしました。

 格浩氏は日本の裁判所に、自身を代表権のない名誉会長に退かせたロッテHDの人事に対する無効確認を求めて提訴。

 東主氏はさらに同日、韓国の裁判所に「ホテルロッテ」と「ロッテホテル釜山」を相手取り、自身の取締役解任に対する損害賠償請求訴訟を提起。

 併せて、格浩氏と共にロッテショッピングに対し会計帳簿閲覧・謄写の仮処分申請も行ったとか。

 東主氏は、東彬氏によって剥奪された格浩氏のロッテHD代表権と会長職を取り戻し、不当な決定を行った同社幹部の全員辞職を目標にしているそうです。


 先般のお家騒動では、今年1月にロッテHD副会長を解任された東主氏が7月27日、格浩氏を韓国から東京に連れて行き、格浩氏と共にロッテHDで同社副会長の東彬氏を含む取締役の解任を言い渡したものの、この解任は翌28日にロッテHDが開いた取締役会(もちろん、東彬氏が長男と父親を押さえ込むために開催させたもの)で無効とされ、格浩氏が代表権のない名誉会長に退くことが決まりました。

 そして、ロッテHDは8月、臨時株主総会を開き、副会長の東彬氏が引き続き経営を主導していくことを確認し、韓国メディアは東彬氏がグループ支配権を完全に固めたように報じていました。


 当時、株主総会に勝負を賭けてくると思われていた東主氏側が表面上は静かなままだったことから、見守っていたメディアも少々拍子抜けした感じでした。

 東彬氏は先月17日、韓国の国会政務委員会による公正取引委員会の国政監査に証人として出席し、再び兄の東主氏と争うなど経営権争いが起こる素地があるかと問われ、「そういう可能性はないと思う」と答えていましたが、事はそれほど簡単ではないことが今回の提訴で実証されましたね。

 東彬氏の国会証言によると、ロッテグループの持ち株会社、ロッテHDの株式の3分の1を保有する光潤社の株主構成は、▽辛東彬38.8%▽辛東主50.0%▽重光初子(格浩氏の妻)10.0%▽辛格浩約1%。

 兄弟対決の焦点は「ロッテHDをどちらが支配するか?」にありますが、ロッテHDを動かすことができる光潤社の支配権は東主氏側(父親の持ち分を入れれば過半数の株を抑えている)にあるわけです。


 ロッテグループは韓国内の「反日」情緒を背景に「日本企業」批判を受けており、これへの対応と創業者一族による不明朗な支配構造の改善を図るためとして、韓国ロッテの事実上の持ち株会社である「ホテルロッテ」の上場を推進中。

 東彬氏は、中長期的には「ホテルロッテ」の日本側株主の割合を50%以下に引き下げる考えを明らかにしており、世論の批判をむしろ追い風にして、東主氏の影響力を完全に削ぐ作戦なのかも知れません。

 ただ、日本のロッテHDが韓国ロッテ全体を支配するという関係を事実上解消するとなれば、日本側の大株主から強い批判が出るのは必至。

 東主氏の今回の動きも、上記のような構図を睨んでのことなのでしょう。

 兄弟対決はまだまだ続きそうですね。


 ちなみに、東主氏は会見で「韓国語がうまくない」とことわり、妻が声明を代読しました。

 この場面がテレビニュースでそのまま流れ、国会答弁を韓国語で行う東彬氏と対比するような構成にしたテレビ局も。

 いずれにしても、韓国メディアは東主氏の「日本色の強さ」も手伝ってか、かなり露骨に東彬氏に好意的な報道姿勢を取っている印象です。
posted by 永遠の旅行者 at 07:00 | ソウル ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | お家騒動のロッテ、「韓国企業」宣言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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