2015年10月07日
TPP大筋合意に焦る韓国、「日米VS中国」の新冷戦が新段階に 朴槿恵政権の中国すり寄り戦略が裏目にも

 土壇場まで交渉が難航していた環太平洋パートナーシップ協定(TPP)はめでたく大筋合意。
 政治・軍事に次いで、貿易分野でも「日米VS中国」の対決構図がいっそう鮮明になりましたね。
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 韓国メディアによると、韓国の崔Q煥(チェ・ギョンファン)副首相兼企画財政部長官は6日、国会の委員会答弁で「TPPに参加する方向で検討していく」と述べましたが、専門家の間からは「後から入るとなると、当初参加国から同意を得るために大きな譲歩を迫られる」「コメ農家など韓国内の調整が非常に難しい」「日本より競争力が劣る素材・部品産業の門戸を開放すれば、韓国の打撃は大きく悩ましい」などの指摘が出ています。

 農業従事者からだけでなく、産業界でもTPP参加が「有利か不利か」をめぐる意見の対立が相当に深いのが現実とか。

 仮に韓国政府が本気で参加を考えたとしても、この先の道のりは非常に厳しそうです。


 しかも、韓国では来年春には総選挙が予定され、それが終われば2017年大統領選に向けた候補者争いのレースが事実上スタートし、朴槿恵政権が大きな政治的決断を下すのはほぼ困難。

 特に中国の顔色をうかがわざるを得ない韓国政府としては、参加の是非を含めて次期政権に問題を先送りせざるを得なくなるのは間違いありません。


 韓国の主要各紙は6日付朝刊で、大筋合意を1面や社説で大きく報道し、「韓国抜きで妥結」(東亜日報)、「韓国は出遅れて参加機会を逃した」(朝鮮日報)と韓国政府の出遅れぶりを指摘。

 テレビ各局も「米韓FTAの効果が事実上無くなる」「自動車産業などで日本に比べて不利になる」と、韓国への影響を繰り返して伝えています。


 韓国は前任の李明博政権時代からTPPの効果を過小評価し、親中国の朴槿恵政権下では中韓FTA交渉を優先させてきました。

 しかし、産業研究院によると、TPP参加国が韓国の貿易に占める比重は全体の32%で、中国(26.1%)よりも高いそうです。


 つまり、中国への貿易依存が高いことを理由に中韓FTA(6月に中韓が署名、現在は国会の批准待ち)に全力を尽くしてきたにもかかわらず、実際にはもっと大きな市場を逃したことになります。

 しかも、中韓FTAは習近平政権に押し切られ、「自由化のレベルの低いFTA」(韓国メディア)。
 現状では韓国が優位に立つ自動車や電気といった工業製品の相当数が当面は対象から除外され、対中輸出増加はそれほど期待できない模様です。


 また、TPPは米国が日本やオーストラリアなどを巻き込んで経済的に中国に対抗するためのプラットホームという面が強いため、ここでも「日米VS中韓」という構図に。

 TPP発効まではまだ1年以上かかるかも知れませんが、今後は経済論理によって各国企業が工場の立地先を中国からベトナムなど参加国にシフトされる動きを加速化させるのは確実。

 中国は次第に産業空洞化が起こるでしょうし、それが米国の狙いの1つでもあるはず。

 そして、自らの生き残りのためには韓国企業もTPP参加国で製品をつくる必要があり、やはり韓国内の産業空洞化と雇用減少に拍車がかかると見られます。


 TPPは米国が日本の全面協力を得てアジア太平洋地域の新しい貿易秩序を造りあげると同時に、経済的に中国を封じ込め、弱体化させるための大きなツールでもあります。

 米国から西太平洋の覇権を奪うことを狙う中国に対し、オバマ政権はぎりぎりでTPPという反撃カードを手にしたわけです。


 この新冷戦の行方がどうなるかは予断を許しませんが、少なくとも思いっきり中国にすり寄った韓国にとって、あまり好ましくないシナリオが次々と現実化していることだけは確かですね。
posted by 永遠の旅行者 at 00:38 | ソウル | Comment(0) | TrackBack(0) | 膨張中国と対決する日米、従属の韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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