2015年09月16日
韓国、史上最低金利で不動産市場がミニバブル 将来の値上がり期待するアパート購入者、元金放置で金利だけ支払う人が70%という時限爆弾
 韓国有力紙の中央日報が「借金大国、韓国」と呼ぶほど借金漬けの実態を示す数字が出ました。
 国会企画財政委員会所属の沈在哲(シム・ジェチョル)セヌリ党議員が国政監査を控えて企画財政部と国会予算政策処から提供を受けた資料を基にした数値を同紙が報じたもの。
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 同紙によると、昨年末を基準として、政府や公共機関、企業、家計、自営業者が負っている全体負債総額が4781兆5000億ウォン(487兆7130億円)であると集計。
 韓国統計庁が発表した今年の人口は5061万7000人であることを勘案すると、国民1人あたり9446万ウォン(約1千万円)程度の借金をしているということになります。

 全体の負債総額のうち、家計負債(個人の借金)は1087兆7000億ウォン、小規模自営業者の負債は236兆8000億ウォン。

 過去にも、様々な報道で韓国の家計負債が1千億ウォン程度という話はよく出てくるので、みなさんもご覧になったことがあると思いますが、今回の報道は最新の数字と言えます。


 韓国の不況感が深まる中、韓国銀行(中央銀行)は朴槿恵政権からの圧迫で政策金利を史上最低の1.5%に引き下げ、3カ月間据え置いたまま。

 専門家の間では「新興国である韓国がゼロ金利政策を行うのは外資の資金流出を招くため不可能であり、年内の米国利上げが確実視される中、やがて韓国も利上げせざるを得ない」という見方が大勢ですが、金融に不案内な政治家やメディアからは「日本のように量的金融緩和をやれ」というバカな意見も出ていました。

 まあ、さすがに最近は「韓国で量的緩和は無理」という事実が浸透し、以前ほど声に叫ぶ有名人はいなくなりましたが‥。


 ただ、韓国の先月の輸出は6年ぶりの大きさの減少幅で、景気回復の遅れが浮き彫りに。

 中国経済の減速(というより失速か?)なども考えると「米国の利上げの影響が本格的に及ぶ前に、韓国が追加利下げを通じ景気を下支えすべきだ」という意見も根強くあり、はっきり言って韓国銀行も追加利下げを期待する与党や政権の一部関係者の横やりに困っているようです。


 ところで、史上最低金利と、朴槿恵政権の不動産取引規制緩和を受け、韓国の不動産市場(日本のマンションに相当する「アパート」が中心)は今、ミニバブルの様相。

 背景には、韓国独特の住宅賃貸制度である傳貰(チョンセ=家の借り主が多額の保証金を家主に預け、家主はそのカネを運用して利益を出す一方、借り主は退去時に保証金全額を返還してもらう制度)が、「超低金利」(韓国メディア)によって崩壊しつつあることが大きく影響しています。


 低金利でチョンセの保証金を運用しても利益が上げられなくなった大家は、保証金を上げない代わりに毎月一定額の家賃を徴収したり、日本のように完全月額家賃(この方式は韓国では「ウォルセ」と言います)に転換したりし、完全なチョンセ物件が急減。

 完全なチョンセ物件があっても、従来は住宅の売買価格の半分程度だった保証金を売買価格並みか、それ以上に大幅アップするのが当たり前の状態になりました。


 さらに、チョンセの保証金が上昇したことで、20〜30代の若い層を中心に「チョンセも売買価格も同じ程度の金額なら、いっそう我が家を購入しよう」という人が急増し、新規分譲物件には黒山の人だかり。

 チョンセ保証金アップがアパートの売買価格を上昇させるという連鎖的な効果も生み、不動産業者は「チョンセは今後も上がり続けるから、売買価格も上昇するのは間違いない。今買わないと価格が上昇して買えなくなるよ」と、どこかで聞いたようなセリフで住宅購入の勧誘をしています。


 しかし、韓国メディアによると、韓国では住宅購入者が住宅担保ローンを組む際、70〜80%は利息のみを返済する形態。

 つまり、将来の自宅値上がりを信じて、元金はまったく払わず、利子だけを支払いながら、売買価格が上昇するのを待って売却(普通は5年ほどを想定)し、差益を手にした上で、新しい物件を購入することを繰り返す「住宅転がし」を考えているからです。


 多くの韓国人の頭の中では、未だに高度成長時代の「不動産神話」が生きており(それでも以前よりは減りましたが‥)、不況の不動産業界も思いっきり煽っています。

 不動産バブルが本格的に崩壊すれば、韓国経済が沈没状態になるため、不動産業者や国民の間では「いよいよヤバくなれば、政府がなんとかしてくれるはず」という甘えも根強く、日本のように不動産市場が長期低落傾向になるとは夢にも思っていません。


 そして今、「チョンセが高い」という理由で、日本の基準ではまったく住宅を購入できないような所得層の人々が、低金利に触発されて目一杯借金してアパートを購入。

 韓国のアパートは普通の住宅街でも6〜7億ウォン(6千〜7千万円)、江南地区なら築20年を超えるオンボロアパートでも10〜20億ウォンです。

 まあ、「クレージー!」の一言ですね。

 しかも、カネを借りる大部分の人は変動金利です。


 こうした人々が数年後にどうなるか、いや、1年後にどうなるかは火を見るよりも明らか。

 韓国銀行(中央銀行)も、低金利が「家計負債」を増大させる副作用を伴うことをよく分かっているので、これ以上の利下げには慎重なのですが‥。


 さすがの政府も危機感を抱き、来年1月からは財産があっても毎月元利金を返していく所得を立証できなければ貸付を制限することにしたほか、長期間、利子だけ返済し満期に元金を一括返済する貸付(満期になれば簡単に「利子だけ返済」の延長が可能)の新規加入を制限し、初期から利子と元金を合わせて返済して行くように変えることを決めました。

 まあ、こうした継ぎ接ぎだらけの政策がうまく効果を発揮するかどうか、慎重に見極めたいと思います。
posted by 永遠の旅行者 at 20:30 | ソウル | Comment(0) | TrackBack(0) | 格差と対立の韓国社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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