2015年09月15日
北朝鮮が長距離弾道ミサイル発射を示唆 「全核施設の正常稼働開始」も公式認定

 韓国メディアによると、北朝鮮の国営メディア「朝鮮中央通信」は14日、国家宇宙開発局長の話として「新しい地球観測衛星の開発が最終段階にある」と指摘した上で、「世界(の人々)は今後、(朝鮮労働党の)党中央が決めた時間と場所から、衛星が空高く打ち上がるのをはっきりと目にすることになろう」と報じました。
 これは明らかに事実上の長距離弾道ミサイルである「衛星発射ロケット」の発射を示唆するものですね。
 最高指導者の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が10月10日の朝鮮労働党創建70周年に合わせて、長距離弾道ミサイルを発射する可能性が指摘されており、予想通りの展開になりそうです。
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 一方、聯合ニュースが朝鮮中央通信の報道として伝えたところによると、北朝鮮の原子力研究院長は15日、朝鮮中央通信記者とのインタビューで、「ウラン濃縮工場をはじめとする寧辺の全ての核施設と5メガワット黒鉛減速炉(原子炉)の用途が調節・変更されて再整備され、正常に稼動を開始した」と表明しました。

 北朝鮮は2007年の6カ国協議合意に基づき、08年に冷却塔を爆破(結局は、米国のブッシュ政権が任期末に外交成果をアピールするために行ったショーでした)して同黒鉛減速炉の「無能力化」を実行しましたが、3回目の核実験に対する制裁などに反発して13年4月、同黒鉛減速炉を整備し直して再稼働させると宣言。
 実際に米国の北朝鮮分析サイトなどがその後、衛星写真を分析した結果、再稼働している可能性があると指摘していました。

 やはり、ウワサ通りだった、というわけです。


 北朝鮮の目指すのは米国本土に到達できる(少なくとも、米国にそう思わせ、脅迫に使える)大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発で、もちろん、核弾頭を搭載可能なものです。

 今回の報道はおそらく、重要な記念日を前に、金正恩政権の成果を国民に知らせて国威発揚と国内結束を図ると同時に、米国を圧迫して米朝協議の必要性をアピールする(あわよくば米朝協議の再開にこぎ着けるカードにする)ほか、韓国との本格的な南北対話を前に主導権を握る狙いがあります。


 いずれにしても、北朝鮮が核弾頭ミサイルの開発を順調に進めている実態をあらためて示しましたね。


 前にも書きましたが、北朝鮮には2006年以来、ほぼ3年ごとに(2回目は2009年、3回目は2012〜13年)、長距離弾道ミサイルを発射し、その数カ月後には核実験を実施するパターンがあります。

 核弾頭ミサイル開発には、核弾頭を搭載できる大型ロケットを製造・発射し、弾頭部分の切り離しや大気圏再突入などの重要技術を収得するのと同時に、弾頭サイズに核兵器を小型化することが必要。

 こうした技術開発スケジュールの都合上、「3年周期」の実験パターンが出来上がったと考えられます。


 「3年周期」を勘案しても、国を挙げた重要行事に花を添えるという政治的必要性から見ても、10月10日の前に長距離ロケット打ち上げを実施するのはまず、間違いありません。


 日米韓はもちろん、中国も自制を求めていますが、それで言うことを聞くような北朝鮮ではないでしょう。

 なにしろ、今回の打ち上げには、北朝鮮で最も重要な「金王朝」体制の維持・強化に必須のものだからです。


 そういう意味では、今月初めに朴槿恵大統領が欧米の冷たい視線を浴びながら訪中を強行し、中国の習近平国家主席やプーチン・ロシア大統領ら「独裁者」と並んで軍事パレードを参観、結果的に中国の軍拡を支持すると受け取られても仕方の無い行動を取ったことの是非が、韓国内でも再び議論になるかも。


 今回の訪中は、「北韓(北朝鮮)の核問題解決や南北統一には中国の影響力行使が不可欠であり、そのためには中韓関係を強化する必要がある」というのが大義名分でしたが、北朝鮮が中国の反対を押し切って長距離ロケットを発射すれば、この論理は事実上、破綻してしまいます。


 金正恩氏の動向とともに、朴槿恵氏の言動にも注目ですね。
posted by 永遠の旅行者 at 20:33 | ソウル | Comment(0) | TrackBack(0) | 金正恩の北朝鮮、愛憎渦巻く韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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