2015年08月20日
北朝鮮軍が南北非武装地帯の南側に砲撃、韓国軍も応戦 「48時間内に宣伝放送中止しなければ軍事行動」と脅迫
 北朝鮮の朝鮮人民軍が本日午後3時52分ごろ、韓国に向けてロケット砲と推定される砲撃を行ったそうです。
 韓国メディアが一斉に伝いました。
 聯合ニュースによると、韓国軍が感知した砲弾は1発で、韓国北西部の京畿道・漣川郡(韓国と北朝鮮を隔てる南北非武装地帯に隣接した地域)のの中面付近に落ちた模様。
 韓国軍は、北朝鮮軍のロケット砲発射地点に155ミリ砲弾約20発を応射したそうです。
20150820 緊急NSCの朴槿恵 青瓦台.jpg
(国家安全保障会議常任委員会を緊急招集した朴槿恵大統領 青瓦台HPより)


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 落下現場は山中という話で、韓国軍に人的、物的被害はなく、韓国軍による応射後は北朝鮮軍も反応を見せていないとか。

 韓国軍は午後5時40分に全軍が最高水準の警戒態勢(いわゆる「珍島犬1」)に入り、青瓦台(大統領府)は国家安全保障会議(NSC)の常任委員会を緊急招集し、対策を協議。

 韓国軍と政府は、北朝鮮軍の砲撃があった京畿道の漣川・坡州地域にある民間人出入統制線(民統線=南北非武装地帯に近く、民間人の立ち入りが制限された地域。出入りの際には軍のチェックが必要)付近の住民と江華島の住民に待避命令を出しました。


 今回の北朝鮮軍の砲撃をめぐっては、韓国が最近、11年ぶりに、南北非武装地帯(DMZ)近くに設置された拡声器を使って北朝鮮向け宣伝放送を再開したことから、この拡声器を狙ったものという見方が出ています。

 聯合ニュースによると、拡声器への被害はなかったそうですが‥。


 宣伝放送の再開は、韓国軍兵士2人が今月、北朝鮮の埋設した地雷に触れて負傷したことを受け、韓国軍がその報復措置として実施したもの。
 同拡声器がこのところ、注目を浴びていましたね。


 そして朝鮮日報が先日、朝鮮人民軍が韓国軍の拡声器や、民間団体が飛ばしているビラ散布用の気球などに向けた銃撃訓練を行っていると報じていましたから、本日の砲撃の予兆はあったわけです。

 地雷問題で南北間の緊張が高まる中、韓国軍は事態をかなり甘く見すぎていたと言われても言い訳できませんね。


 案の定、韓国国防部の発表として韓国メディアが一斉に伝えたところによると、北朝鮮軍は本日午後5時ごろ、総参謀部名義の通知文を韓国国防部あてに送ってきました。

 通知文は、同日午後5時から48時間以内に対北朝鮮宣伝放送を中止し、拡声器などの設備を撤去するよう要求した上で、「これを履行しなければ軍事的行動を開始する」と韓国側に警告。
 また韓国軍の宣伝放送に関して「(北朝鮮に対する)全面的で重大な挑戦」と批判しました。


 何だか、かなりきな臭くなってきましたね。

 北朝鮮の要求に応じれば「不当な脅迫に屈した」と政権支持層の保守派から非難されるでしょうし、仮に要求を拒否して本当に北朝鮮が攻撃してきた場合、これはこれで「国民の安全を軽視した」と激しい批判を受け、政権の存立に関わる事態に発展する可能性だってあります。


 おそらく、金正恩第1書記としては、北朝鮮に対する強硬姿勢を崩さない朴槿恵政権を圧迫して南北関係の主導権を握るとともに、韓国社会を混乱させて「戦争よりは、北に譲歩してでも平和を維持してほしい」という厭戦気分を韓国民の間に拡散させる狙いがあるのでしょう。

 一種の「心理戦」ですね。

 北朝鮮はこの手の作戦が本当に巧みです。

 また、2010年には実際に延坪島(ヨンピョンド)を砲撃しているので、「軍事行動を取るぞ」と脅せば、韓国側は結構、ちじみ上がってしまします。


 今回の事態について韓国では、政府の影響が強い地上派テレビは事実関係をたんたんと報じていますが、ケーブル専門局MBN(経済紙「毎日経済」系列)は「住民が危機にさらされているのに、政府のきちんとした説明がない」と朴槿恵政権や軍の対応を批判していました。

 朴槿恵政権と韓国軍も不意を突かれて(というか、油断しすぎていて自業自得とも言えますが‥)、少々、慌てふためいている雰囲気が感じられます。



posted by 永遠の旅行者 at 17:42 | ソウル ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 金正恩の北朝鮮、愛憎渦巻く韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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