聯合ニュースによると、東彬氏は報道陣を前に約30秒間、深々と頭を下げてから「国民の皆さまにこうした事態が起こったことに対し、大変申し訳ないと思っている」と陳謝しました。

(金浦空港で謝罪する辛東彬氏 SBSのニュース映像より)
創業者の長男、辛東主(シン・ドンジュ、日本名:重光宏之)元ロッテHD副会長が韓国メディアと日本語でインタビューしたことを受け、「韓国財閥5位のロッテグループの経営権を争う人物が韓国語も話せないのはおかしい」「ロッテは日本企業になったのか」といった非難がネット上で噴出し、韓国大手紙も「日本色」問題として厳しい論調を展開しています。
テレビニュースで放映された映像を見ると、韓国語が話せる東彬氏は上記のような雰囲気も意識してか、記者の質問には終始、韓国語で応じていました。
彼は「ロッテは日本企業なのか」という質問に対し、「95%の売上高が韓国で発生している。ロッテは韓国企業」と強調したそうです。
これも韓国世論の支持を得るため、あえて「韓国」を強調する作戦と見られます。
兄弟の闘いがもっと過熱した場合、「兄は親日」といったフレーズが飛び出しても不思議ではない雰囲気ですね。
東彬氏は、「今回の事態が早期に解決し、総括会長(父親)の創業精神に基づき、国内外のわが企業を正常化、発展させていくのが私の役割と思っている」と述べ、事態収拾に最善を尽くす考えを表明。
92歳になる創業者の父親、辛格浩(シン・ギョクホ、日本名:重光武雄)総括会長の判断能力については「ここで話す部分ではない」と回答を避けたとか。
東彬氏は今回、記者団の前で3回、謝罪して深く頭を下げそうで、韓国内でお家騒動を続けるロッテグループに対する批判的な世論が強まっていることを意識したものでしょう。
韓国メディアも「異例だ」と伝えています。
聯合ニュースによると、東彬氏はこの後、ソウル市内のロッテホテルに向かい、34階に滞在している格浩氏と会って約5分間話をしました。
「親子会談」の結果を聞こうと韓国人記者団がホテルロビーで待ち構えていましたが、東彬氏は記者たちを避けて別の出口から出たということで、記者たちは少々不満げな様子。
まあ、兄弟のどちらも、自分に都合の良い話だけをメディアに流したいのでしょうから、この対応も当然のことですね。