2015年07月29日
ロッテ大乱で創業者の辛格浩氏が退陣、長男失脚し次男が経営権掌握 どっちがクーデター?
 韓国の大手財閥「ロッテグループ」は27日、創業者の辛格浩(シン・ギョクホ、日本名:重光武雄)ロッテホールディングス(HD)会長(韓国ロッテグループ総括会長)が名誉会長に就くと発表しました。
 これにより、辛格浩氏は経営の一線を名実ともに退き、ロッテグループは同氏の次男である辛東彬(シン・ドンビン、日本名:重光昭夫)ロッテHD副会長(韓国ロッテグループ会長)中心の経営体制への移行を急ぐ見通しですが、グループ後継者の座をめぐる争いの火種は消えていません。


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 今回の辛格浩氏退陣劇は、既に今年1月にかけてロッテHD副会長などの職を解任され「失脚」した状態となっている辛東主(シン・ドンジュ、日本名:重光宏之)氏=辛格浩氏の長男=が起死回生の一撃を狙って仕掛けた経営権奪取作戦が失敗した結果の出来事。

 辛東彬氏が父親から経営権を事実上剥奪することで、とりあえず辛東主氏を押さえ込み、グループの支配権もほぼ完全に手中に収めた形となったわけです。


 しかし、日韓を股にかけて事業を展開するロッテグループのお家騒動はこれで完全決着かというと、「そう単純ではない」という見方が支配的。

 なぜなら、兄弟がそれぞれ保有する主要系列会社の持ち株比率はほぼ同等であり、後継体制確立に必要な持ち株整理は全くの手つかず状態です。

 つまり、大株主である辛格浩氏の心一つで、後継構図が一夜にしてひっくり返るという不安定な状況が続いており、「後継争いは始まったばかり、という観測すら出ている」(ハンギョレ新聞)とか。


 ロッテグループの持ち株会社は日本にあるロッテHDですが、韓国メディアによると辛東主氏も辛東彬氏もロッテHDの持ち株比率は20%で同じ。
 ロッテHDが韓国ロッテグループの持ち株会社の役割を果たす「ホテルロッテ」の最大株主(持分率19%)となって、韓国事業も支配する構造になっています。

 辛東彬氏にしても結局、未だに多くの持ち株を保有し続けている父親の辛格浩氏の協力を失えば、経営権を維持できないことに変わりありません。


 この結果、「お飾り的な存在」に転落したとはいえ、辛格浩氏をめぐる兄弟の争奪合戦はまだまだ続くのは間違いなく、これまでの言動から見て、辛格浩氏自身もどちらか一方を完全に切り捨てることはできないようです。

 だからこそ、長年、日本ロッテは長男、韓国ロッテは次男という役割分担を続けたと考えられます。

 さらに辛格浩氏の長女と次女も一定の持ち分を保有し、彼女たちがどちらの側につくかも重要であり、先行きの変動要因は消えていません。


 韓国内では、このまま行けば、かつての現代グループのように兄弟が対立をした挙げ句、グループ分割(分裂?)に向かう可能性も取りざたされています。


 聯合ニュースによると、辛格浩氏が名誉会長に退いた理由は、ロッテグループの後継者レースから外れた辛東主氏が辛格浩氏を担ぎ上げて「クーデター」を試みたものの、失敗した結果だそうです。

 今回の事態は、辛格浩氏が27日に、親族5人と共にチャーター便で訪日したことが発端。

 90代と高齢の同氏は車いすに頼るほど足腰が弱っており、言語駆使能力にも支障があるとされるとか。

 訪日は長男の辛東主氏が手引きしたとされ、執務室のあるロッテホテルをはじめ韓国ロッテグループの関係者も全く知らない中で実行。

 日本入りした辛格浩氏はその日のうちにロッテHDのオフィスに現れ、7人いるロッテHDの取締役のうち自身を除く6人を「解任」。
 6人の中には副会長の辛東彬氏、佃孝之社長が含まれており、辛東主氏が弟の辛東彬氏を追い出すために「反乱」を企てたとの見方もあるそうです。

 これに対し、辛東彬氏は、辛格浩氏による27日の「解任」は取締役会に諮っていない違法な決定だと規定し、翌28日の取締役会で辛格浩氏をロッテHDの代表取締役会長から解任しました。


 韓国メデイアは以上のように、辛東主氏が言葉も上手くしゃべれなくなった父親を利用し、弟の辛東彬氏を排除しようと企てたように報じており、実際にそういう面もあったのでしょう。


 ただ、ロッテグループは、辛東彬氏が今月15日付で日本のロッテホールディングスの代表取締役会長に就任したことについては「辛格浩氏の意向」と説明していますが、今回、辛格浩氏は半月も経たないうちに自らの決定を覆すために辛東主氏と一緒にに日本に行ったことになります。

 しかも辛格浩氏には長女の辛英子(シン・ヨンジャ)ロッテ福祉財団理事長、甥の辛東仁(シン・ドンイン)ロッテジャイアンツオーナー代行らも同行。


 辛格浩氏が今回、グループの未来を左右する後継問題をめぐり、理解しがたいほどブレの大きな行動を行った結果、まともな判断能力を欠くほど老いていると見られることが白日下にさらされました。

 朝鮮日報は、辛格浩氏が今月27日に取締役の解任を指示してから1時間後、佃社長に「よろしく頼む」と語ったとされる、と報道。
 老人性痴呆症かどうかは不明であるものの、同氏の記憶力に相当な問題があることを示唆しています。


 辛格浩氏の判断能力や記憶力に著しい問題が生じているのであれば、そもそも辛東彬氏が兄の辛東主氏を失脚させ、自らが事実上のグループ支配権を掌握した最近の事態こそが「クーデター」だった可能性も排除できません。


 ロッテグループの内情や辛格浩氏の健康状態や判断能力などについて、外部から伺い知るのは難しいことから、真実は不明ですが‥。

 まあ、韓国メディアは「事実」に関しては余り関心のない様子で、韓国ロッテが本家の日本ロッテを吸収したようなストーリーをつくり、ご満悦のようですね。


 ところで、韓国メディアによると、辛格浩氏には公になっている夫人が3人おり、最初の夫人(韓国人)との間に長女の辛英子(シン・ヨンジャ)氏、2番目の夫人(日本人の重光初子氏 現在の正式な夫人)との間に長男の辛東主氏と次男の辛東彬氏、3番目の夫人(韓国人、ミス・ロッテ出身 要はセカンド夫人)との間に次女が生まれたそうです。

 次女(32)はホテルロッテの顧問の座にあり、ソウル・小公洞のロッテホテルに入居している飲食店の権利の相当部分も保有しているとか。


 韓国メディアは時々、2番目の夫人について「A級戦犯だった重光葵元外相の子孫だ」と報じていますが、ロッテグループ側は否定しています。


 あと、持ち株会社の話の続きですが、ハンギョレ新聞によると、実はロッテHDの株式の27%を保有する包装資材販売会社「光潤社」(東京新宿)が、ロッテグループの真の支配者とか。
 同社は非上場で、株式の半分以上は辛格浩氏の所有とされ、二人の息子に同じように分けたという話があるものの、確実ではないそうです。

 やはり、父親がカギを握るわけですね。


posted by 永遠の旅行者 at 07:31 | ソウル ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | お家騒動のロッテ、「韓国企業」宣言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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