死者も12日以降は発生していません。
聯合ニュースによると、現在の自宅隔離者は1人で、27日午前0時に隔離措置が解除されます。
隔離者がゼロになった時点で、政府は「もうMERSを懸念する必要はない」との国民向けメッセージを発表する予定。
今回のMERS騒ぎも一応、事実上の落着ということですね。
これまでの感染者は計186人、死者は計36人となり、世界で2番目の「MERS感染大国」の汚名を着ることになったとはいえ、何とか院内感染にとどまり、地域社会でアウトブレークが起きる最悪の事態は防がれました。
しかし、実際の数字以上に韓国政府とサムスン・ソウル病院の杜撰な防疫体制が白日の下にさらされ、国家イメージのダウンや観光客激減など支払った代価はとてつもなく大きなものになりました。
生産人口がピークアウトし、経済は低成長軌道に入り、デフレ傾向が鮮明になってきた韓国。
ポピュリズム政治に走る一方で、政策失敗の責任をすべて部下になすりつけ他人事のような評論を連発する朴槿恵大統領の下で、積極的な政策遂行に二の足を踏む公務員の事なかれ主義と無気力ぶり、「じっとしていれば責任を問われなくて済む」という無責任体質が極大化しています。
MERS防疫失敗は、まさに朴槿恵政権下で政府組織に蔓延している停滞感の根深さをまざまざと見せ付けました。
韓国メディアも時々、各省庁の公務員の間では朴槿恵政権のやり方に対する失望感が強く、「次の政権発足まで大人しくしておこう」という雰囲気が支配的だ、と伝えているほど。
日本の民主党政権時代と同様、もはや首脳が1人で何を叫ぼうが、組織を動かす歯車はほぼ停止し、組織は動きはしません。
やはり、いろんな意味で、前の李明博政権時代が韓国の絶頂期であり、今後は下降線を辿る一方なのかもしれませんね。