2015年06月17日
防疫穴だらけのサムスン・ソウル病院、政府が患者管理に乗り出す 感染拡大阻止の失敗は「財閥式経営」裏目か 社長団が「反省」表明、後継者を保護?
 韓国の中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス流行で「最大感染源」となったサムスン・ソウル病院について、保健当局が管理強化を図るそうです。
20150615 CA サムスン病院院長会見.jpg
(記者会見で陳謝するサムスン・ソウル病院院長の映像を流しながら、同病院の問題点について討論する韓国のニュース番組 チャンネルAの映像より)


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 院内感染の拡大防止のためには、感染者の動きを正確に把握し、接触した可能性のある人々を最大限迅速に「隔離」するのが最重要ですが、サムスン・ソウル病院の場合、患者管理がとんでもなく甘い上、医療スタッフやお見舞いなどによる病院訪問者に対する感染防止対策が穴だらけで、国民の批判が噴出していることが今回の決定の背景にあるのは間違いありません。


 もっとも、保健福祉部の方も当初から、感染者と接触(近接遭遇含む)した恐れのある人の把握や、「隔離」対象者の範囲を決める基準を含め、防疫対策を同病院に丸投げした格好だったので、病院側からすれば「今さら何を言うのか」という感じでしょうね。

 さすがの保健当局も「このまま同病院発の感染者が増え続ければ、政府への『無能』批判がさらに強まる」という保身も働き、直接管理に手をつけざるを得なくなったというのが実情と言えます。


 保健福祉部の発表によると、保健当局として、今月2〜10日に同病院を訪れた外来患者や入院患者の情報を収拾し、感染の有無を管理していく方針。
 当局が診療記録などを基に把握作業を進める一方で、該当者がいれば、当局の専用電話まで申告してほしい、と呼びかけました。


 ところで韓国メディアによると、同病院には「社長制度」が敷かれ、経営効率と収益拡大に比重を置く「財閥式経営」が取り入れられていることで有名。
 思わぬ感染拡大を招いた裏には、こうした「収益第一主義的な経営が裏目に出た」(韓国の評論家)という指摘も出ています。


 一方、聯合ニュースによると、サムスングループの社長団が本日開かれた「社長団協議会」に合わせてMERS問題を協議し、サムスン・ソウル病院が感染拡大の震源地となったことに関して「深く反省し、国民に申し訳ない」という意見が多く出たとか。

 これは、同病院に対する国民の批判が噴出する中、サムスングループとしても、何らかの方法で火消しを図る必要性に迫られた結果、メディア向けに出してきた話だと思われます。


 グループ総帥である李健熙(イ・ゴンヒ)サムスン電子会長は心臓病で同病院に入院中のため、表に出ることは不可能。
 後継者である長男の李在鎔(イ・ジェヨン)同社副会長は「グループ継承」作業の詰めの段階に入っており、今回の事態で傷がつくのを避けるため、「絶対に矢面に立たせたくない」というのが側近幹部たちの一致した考えであるのは間違いありません。

 そして熟考の末に到達した結論が、グループとしての「遺憾の意」を社長団が表明する形式だったのではないでしょうか。

 特定の幹部が責任者としてテレビカメラの前に登場し頭を下げるわけではなく、集団での意思表明。
 しかも、記者会見は開かず、内部の会議で出た意見をサムスン側がメディアに伝えることで、経営陣の誰も責任を明確にしないで済むのです。

 「大企業病もここまで来たか」という典型のような殿様対応ですね。
 案の定、ネット上では厳しい声が多く出ています。


 ちなみに韓国メディアによると、サムスン・ソウル病院は、李在鎔氏が理事長を務める「サムスン生命公益財団」の傘下にあるのだとか。

 今回の不祥事では同病院の病院長が会見し、頭を下げていますが、「病院長にはほとんど権限はない。謝罪するべきは同病院社長だ」という指摘も。

 まあ、国を揺るがす非常事態をつくってしまった以上、いずれは李在鎔氏が謝罪会見を行うのが筋でしょうが、どうなるでしょうか。


posted by 永遠の旅行者 at 18:32 | ソウル ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | MERSに恐怖する韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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