2015年06月12日
朴槿恵大統領、訪米延期後、初めてMERS対応の現場視察 「何を今さら」と白ける国民、韓国の混乱継続か
 中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス流行で政治や社会の混乱が続く韓国。
 聯合ニュースによると、朴槿恵大統領は本日、京畿道・水原市にある京畿道庁に設置されている「京畿道MERS総合管理対策本部」を視察し、防疫対策の現状などを点検、スタッフらを激励しました。
20150612 韓国政府ポータル 朴槿恵視察.jpg
(京畿道庁の対策本部を視察する朴槿恵大統領=12日)


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 朴大統領がMERS関連の現場に足を運んだのは、国立医療院(5日)、「汎政府MERS支援対策本部」(8日)に続いて3回目。


 同ニュースは今回の視察に関し、「MERSの拡散防止には、政府と自治体の緊密な協力体制を構築することが何よりも重要だ」という大統領の判断によるものだ、と指摘しています。


 訪米延期で日程ががら空きになったことから、朴大統領は当面、MERS対応で国民の目に見えるような積極的な活動を行う方針のようで、今回の視察がその第1弾。


 ただ、MERS感染者の増加の勢いが鈍化しつつあることや、完治した人の体験談から「体力のある人ならば、感染してもインフルエンザ程度の症状」という実情が広まり、一時はパニック状態だった国民の恐怖もかなり薄まってきている感じです。

 このため、朴大統領が現場視察に力を入れるという話が報じられると、ネット上では「国民が不安な時に他人事のような姿勢だったくせに、今さら何をするつもりなのか」という批判的な意見も出ていますね。
 まあ、「国民は白けている」というのが正解かもしれません。


 朴槿恵政権は、昨年のセウォル号沈没事故でも「無能」と批判されましたが、事故発生の原因や救助活動の不手際に関して「朴大統領に直接的な責任があるわけではない」というのが多くの国民の共通認識でした。
 言わば「大統領は一生懸命やっているが、側近らがふがいなく、政府機関が指示通りにうまく回らなかった」といったところでしょうか。

 だから、事態が落ち着けば、一時急落した大統領の支持率も再び上昇、回復したわけです。


 ところが、今回のMERS感染拡大は異なります。


 流行を阻止できなかったのは、担当部署である保健福祉部が当初、問題を甘く見ていた責任が大きいのは当然ですが、朴大統領のリーダーシップ不在が事態を悪化させたのは明白であり、保守系メディアもこの点を強く批判しています。

 「中東で猛威を振るった致死率40%の感染症の国内流入」という国家の非常事態に直面し、本来は大統領が陣頭に立って感染拡大阻止に全力を挙げる姿勢を示すとともに、国民には「政府を信頼し、落ち着いて行動するよう」呼びかけるべきでした。
 ところが、国民の目に映ったのは混乱する政府の頼りない姿だけで、「朴大統領は事態が深刻化するまで何もせず、深刻化しても適切な対応を取れなかった。どこで何をやっていたのか、姿が見えない」というのが正直な気持ちであるのは間違いありません。

 
 裏金疑惑で李完九(イ・ワング)氏が首相を辞任し、首相の席は空席のままである上、首相代行である崔ギョン煥(チェ・ギョンファン)副首相兼企画財政部長官も国際会議のため外遊中。
 コントロールタワーが不在の中で、政府が右往左往する様子が国民の不安感を煽る形となり、感染拡大阻止に失敗しただけでなく、結果的に国家イメージ低下や経済活動萎縮などの被害を増幅させました。


 そして、朴大統領が重い腰を上げ、ようやく事態収拾に乗り出したと思ったら、まずやったのはMERS対応のタスクフォースをつくること。
 そして、保健福祉部に設置された対策本部に加え、国民安全処にも政府対策本部がつくられるなど、結局はMERS対応部署が5つも乱立し、韓国内では「いったい、どこがコントロールタワーか分からない」という批判が噴出していました。

 笑えることに、福島第1原発事故で、当時の菅直人首相が首相官邸にやたらと諮問委員会をつくったのと似ていますね。

 ただ、あの時、菅直人首相は大混乱の中、国民の批判を浴びながらも、自分なりに最善を尽くし、東京電力本店に乗り込むなどの強行対応も取りました。(「適切な対応」だったかどうかは別問題ですが‥)
 緊急の記者会見も開き、国民に協力を呼びかけたりもしました。


 ところが今回、朴大統領は記者会見はもちろん、テレビを通じた談話発表もせず、国民に直接語りかけることを避けているようにすら見えます。


 朴大統領はよく、韓国メディアから「不通(プルトン)」(国民や政界などとの意思疎通ができていない、という意味)と批判されていますが、今回もそれが繰り返されたということですね。

 ただ、ここまで来ると、「意思疎通の問題」というよりも、大統領の資質の問題かもしれません。


 いずれにせよ、今回、朴大統領の言動を観察していた国民はもちろん、保守系メディアも「本当にこの大統領に国を任せていて大丈夫なのか」という思いを強めているのは確か。

 朴槿恵氏の大統領任期はまだ2年半以上も残っていますが、レームダック化が一段と進み、「何も決められない政治」が続き、社会の混乱だけが広がりそうです。

 「韓国、朴槿恵氏の訪米延期決定めぐり賛否」の記事はこちら


posted by 永遠の旅行者 at 17:18 | ソウル ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | MERSに恐怖する韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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