2015年05月31日
南シナ海支配の既成事実化目指す中国  「人工島」を軍事拠点に米軍追い出しへ対立激化

 中国の対外膨張の動きの中で、もっともきな臭さを増しているのが南シナ海ですね。

 中国による岩礁の埋め立て、軍事基地化の動きは周辺国の憂慮や米国の警告を無視して着々と進行中。


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 現地からの報道によると、中国人民解放軍の孫建国副総参謀長は5月31日、シンガポールのアジア安全保障会議で講演し、中国が南シナ海で岩礁を埋め立て人工島を造成していることについて「軍事、防衛上の必要性を満たすため」と述べ、軍事目的が含まれていると明言しました。

 中国当局の言動は一段と露骨さを増していますね。


 29日には米国防総省のウォーレン報道部長が、人工島の1つに火砲が配備されたことを明らかにしたことは、軍事利用が既に始まっていることを示しています。
 産経新聞によると、米政府は「自走砲を手始めに今後、レーダーや艦船、航空機、ミサイルなどが徐々に配備されていくだろう」(軍事筋)と見ているとか。

 いずれにせよ、オバマ政権が手をこまねいている間に、中国がすさまじいスピードで大洋のど真ん中に軍事的な拠点となる「人工島」づくりを進め、南シナ海の「内海化」を既成事実化する勢いなのは誰の目にも明らかです。


 共和党の強硬派などは中国の動きに対する憂慮の声を強め、オバマ大統領の「弱腰」を叩くのが珍しくなくなりました。

 オバマ政権も、アジア太平洋地域での米国の覇権を奪おうとする中国の動きに焦りを見せ、「日米同盟」強化などで習近平政権への圧迫を強めていますが、中国側は米国の足下を見透かしたかのように大胆な行動を続けています。

 このまま放置すれば、「(人工島の)12カイリ(約22キロ)以内は我々の領海」という中国の主張を認めた形になりかねないため、米政府も最近になって米軍艦船、偵察機を当該水域内で活動させることを検討し始めるなど対抗姿勢を強めており、中国とのせめぎ合いが激化するのは確実。


 過去の例から考えて、米軍の航空機や艦船が接近すれば、中国軍の戦闘機や艦船などが異常接近を仕掛けてきたり、場合によっては「民兵」が動かす偽装漁船をわざとぶつけ、力尽くで追い払おうとするのは間違いありません。


 中国は5月26日に発表した国防白書で、米国の名指しを避けながらも「地域外の国の南シナ海への介入」を指摘して、「海上軍事闘争への準備」まで呼びかけており、南シナ海で一歩も引く考えがないことを宣言しています。


 一方、対日「歴史共闘」などで上手く韓国をあやつり、日米韓軍事協力体制を弱体化させるのに成功した中国ですが、逆に日本人の対中恐怖を煽った結果、安倍政権は比較的容易に集団的自衛権の行使容認を含めた安保強化策を一気に推進することが可能になりました。

 軍事費削減の中で中国けん制を強める必要に迫られた米国にとっても渡りに船で、「日米同盟」が従来と違う次元にまで強化され、日米の軍事的一体化が飛躍的に進んでいます。

 インドやオーストラリアを巻き込んだ「4カ国同盟」構想も動きだし、日米は中国の一方的膨張を懸念する東南アジア諸国とも連携しながら中国包囲網を敷く方向。


 こうした中、中国は日米に対抗するため、韓国を圧迫して日韓、米韓の離間を謀りながら、ロシアと同盟関係を進展させていますね。
 ロシアはクリミア問題で米国と激しく対立したままで、対米けん制のために中国と関係強化を図る必要がありますから、こちらも利害が一致しているわけです。


 中ロ両軍は地中海で合同軍事演習を行ったほか、8月には日本海で合同軍事演習を実施する予定とか。

 「日米」vs「中ロ」の新冷戦の構図が次第に鮮明になっており、中国の経済力に屈した欧州先進国と韓国が米国を横目で見ながら、徐々に中国の懐に入っていく雰囲気も強まっています。


 ただ、欧州が中国に接近する背景には「ロシアは安保上の脅威であるものの、遠く離れた中国は脅威ではない」という感覚が強いためと思われ、韓国人のように「生殺与奪に関わる問題」という切迫感はありません。

 中国主導のアジア・インフラ投資銀行(AIIB)への参加もそうですが、あくまで「カネ」が目的と言っても過言ではありません。

 また、プーチン大統領率いる軍事大国ロシアをけん制するため、中国と緊密な関係を結ぶのが安保上の利益になると考えているのも間違いありません。

 つまり「遠交近攻」外交を地で行っているわけです。


 中国の少数民族弾圧などの人権問題(欧州も本当に偉そうなことを言いながら「建前だけ」ということがよく分かる例ですが‥)には目をつぶっても、自国の安全保障に関わる問題が生じるなど利害に合わなくなれば、いつでも中国と距離を置くことが可能です。

 この辺は、経済と安保の両面で習近平政権にクビ根っこを押さえつけられている韓国とは全く状況が違いますね。


 安倍政権がロシアとの関係維持に気を遣うのも同じです。

 「日米同盟」が強化されたからと言っても、中国との軍事的衝突は回避するのが最善の策。

 中国が日本に簡単に手を出せなくする上で、日米同盟が決定的な役割を果たすのは言うまでもありませんが、南シナ海やインド洋など中東に至るシーレーンを中国に支配されるのを防ぐため、インドを含めた沿岸各国を日米陣営側に引き入れると同時に、大国ロシアを使って中国をけん制していくことが不可避です。

 少なくとも、中国と対立している最中に、ロシアが日本を圧迫するような行動に出ないよう事前に措置しておくことが肝要。

 日本メディアは、対ロ外交というと「北方領土問題」ばかりに焦点を当てますが、実はそれ以上に中国の脅威に対抗する上で日ロ関係の緊密化は極めて重要なのです。


 「米国の衰退と中国の勃興」は事実ですが、習近平国家主席が唱える「中国の夢」が本当に実現するのかどうかは未知数です。
 ましてや、西太平洋やインド洋から米軍を追い出したり、陸の新シルクロード建設により中央アジアから欧州に至る地域を従属させる「帝国」を築くことが現実的に可能でしょうか?

 どのようなスーパーパワーであっても、国家の栄華盛衰は歴史の必然であり、中国が米国と並ぶ、もしくは世界一の超大国になったとしても、それが百年も2百年も続くわけではありません。


 日本は昔から遣隋使、遣唐使などを通じて中国の文物を真摯に学びながらも、歴代中国王朝の冊封体制に組み込まれたことはなく、ましてや朝鮮王朝のように属国化した歴史もありません。

 日本は昔から「海洋国家」であり、今後も米国と同じく「海洋勢力」として生きていくしかありません。
 このため中国が膨張を続ける場合、これと対峙するのは地政学上の宿命と言えます。


 韓国の扱いがもっとも悩ましいところですが、当面は安倍政権の「韓国放置」政策、事実上の「無視」を貫く方法が最善ですが、中長期的には関係改善(あくまで、戦略上のものですが‥)は必要です。

 日本の今後の対韓政策の柱は、韓国が中国の力をバックに「日本攻撃」(例えば、対馬侵攻、もしくは韓国に近い日本の離島収奪)を企てるのを防ぐことが重点となるのではないでしょうか。

 韓国では「対馬は韓国領だった」という主張をする自治体や市民団体があります。
 現時点では、韓国政府はこうした主張を追認していませんが、将来、国民の「反日情緒」を背景に、どんな無茶を言い出すかは分かりません。

 竹島領有権や「日本海表記」の例を見ても分かるように、独自の「歴史認識」を基にした理屈はどうにでも作り出せます。

 現在は在韓米軍がいるおかげで、米国が韓国軍を統制できますが、韓国が中国の衛星国となれば、韓国政府がポピュリズムに流されて軍事的な「反日」冒険主義に打って出る可能性も排除できません。


 中国が日米をけん制するため、裏から韓国を操って、反日、反米感情を盛り上げ、韓国政府が暴挙に出る下地を醸成する恐れも十分にありますね。


 日本に求められるのは、「歴史」を名分にした韓国の無茶な要求に断固譲歩しない姿勢を貫く一方で、韓国が完全に中国陣営に入るのを何とか防ぐため、米国と連携しながら水面下で中韓分断を進めることです。

 韓国を焦らせるには、北朝鮮との関係改善という「カード」も有効ですので、「核・ミサイル・拉致問題」解決の進展に役立つという国際的な名分が立てば、日朝交渉にも力を入れるべき。


 中韓による対日「歴史戦争」については、欧米の民間団体や海外在住の日本人(日系人を含む)と緊密に連携して対応することが重要。

 人権擁護や平和主義、人種的・民族的な対立解消などといった欧米の「普遍的な価値観」を前面に押し出しながら、「アジアの平和と発展に努力する日本」と「歴史の捏造を交えて民族対立を煽る韓国」という構図を際立たせながら、地道に闘っていく必要があります。

 日本政府は「ヒトとカネ」の両面で、現地の闘いをもっとサポートすべきでしょう。


 また、善意の市民を装ってネット上で韓国の一方的な宣伝活動を繰り広げる韓国団体「VANK」のような勢力に対抗することも疎かにしてはいけません。
 英語を含めた各国語で「スマートな反論、論破」を行い、各国の大学、学術団体を含め、国際社会に働きかけを続けることが必要。


 そして、より長期的にはアニメやゲームを含め、日本文化のファンを世界にもっと広げることが大きな効果をもたらします。
 いわゆる「ソフトパワー」強化の一環ですね。

 日本人が考えるよりも、東南アジアで韓流ドラマが韓国のイメージアップと韓国製品販売拡大に大きな貢献をしていることを踏まえ、この辺の対抗策も急ぐべきです。


posted by 永遠の旅行者 at 18:44 | ソウル | Comment(0) | TrackBack(0) | 膨張中国と対決する日米、従属の韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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