日本がほぼゼロ成長だった1990年代から現在まで、途中でアジア通貨危機などの難局に直面したとはいえ、概ね高い経済成長を遂げてきた韓国では、ホテルはもちろん、デパートやショッピングモール、映画館、劇場などの大型施設は比較的新しいものが多く、化粧室(トイレ)はゆったりしたスペースが取ってあり、掃除も行き届いて非常に清潔です、。


(ソウル・金浦空港横のロッテ百貨店の男性用化粧室、個室は上の写真の右方向にありますが、1つの画面に収まり切れず写っていません)
はっきり言って、東京の伊勢丹や高島屋といった老舗デパートのトイレよりも、韓国の方が数倍(下手をすると十倍くらい)広く、清潔さも大差はありません。
嫁さんの話だと、高級店舗の女性用化粧室には大きなソファーまで置かれ(化粧室の外にも置かれていますが、この場合は内部)、ゆっくり休憩できるよう配慮されているとか。
もちろん、赤ちゃんの授乳室は別です。
韓国は新施設建設時にトイレに関し、施設のブランド力を高めようと高級感をアピールしたり、客に居心地の良い空間を提供することで売り上げ増に直結する滞在時間を増やそうとして、「ゆったりスペース」を確保する努力をしてきたと考えられます。
ソウルでも十数年前までは、大型施設以外の公衆トイレには汚くて入る気がしないような状態でしたが、現在は相当程度、改善されました。
ただ、ソウル以外の地方都市については、大型施設がそれほど多くないこともあって、化粧室も今ひとつ。
農村部では用を足したくありませんね。
この点、日本の田舎は比較にならないほどトイレが綺麗です。
いずれにせよ、日本は当面、外国人観光客を年間2千万人に増やすことを目標にし、これまでになく誘致に力を入れています。
そして、中国人観光客らの「爆買い」が沈滞する日本の内需を押し上げる傾向が目立っており、少子高齢化による日本国民の購買力減少を補う貴重な「資源」となっていくのは間違いありません。
外国人観光客には、日本のトイレの清潔さと最新式便器は驚嘆の的ですが、「スペース」の点ではまだまだ。
長期的な観点から、外国人に快適なトイレ・タイムを提供し、「日本のトイレは狭い」という悪評を改善して、さらなる観光客誘致に役立てるためにも、是非とも大型施設を中心にトイレのスペース拡大に取り組んで欲しいと思います。