2015年05月04日
朴槿恵大統領支持の保守紙も「無気力政権」と激しく批判 メディアは左右問わず「外交孤立」に強い危機感
 先ほど、朴槿恵(パク・クネ)大統領が「歴史原理主義」「慰安婦原理主義」とも言える対日外交を堅持する方針を表明したことを紹介しましたが、本日の朝鮮日報が「内政も外交も成果がない朴槿恵“無気力”政権」と題する社説で、非常に激しい政権批判を展開していたので掲載しておきます。

 朝鮮日報は韓国最大手紙で、朴槿恵政権の「機関紙」と称されるほど全面的に大統領を後押ししてきただけに、ここまで言及するとは、私も正直、驚きました。
20150402 pak-kune.jpg
(先月2日、訪韓した米下院のペロシ民主党院内総務と握手する朴槿恵大統領、青瓦台HPより)


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 朴大統領の任期がまだ2年半以上も残っているため、さすがに「このまま突っ走られては国が危ない」と相当深刻な危機感を抱いているのがよく伝わる社説です。


 朝鮮日報に続き、野党寄りの左派紙、ハンギョレ新聞の「“日本発外交危機”脱出法」と題したオ・テギュ論説委員室長のコラムも載せておきます。

 ハンギョレの場合、「反米、親北朝鮮」という立場であり、朴槿恵大統領以上に「親中国」なのですが、それでも厳しい国際政治の中で漂流する現政権の危うさを感じている点では保守紙と一致しており、なかなか面白いですね。


 まず朝鮮日報の社説ですが、長いので中間部分を省きます。

 朴槿恵大統領が近く公式日程を再開する予定だ。
 朴大統領が体調を崩した影響で、韓国政府はここ2週間にわたり代行体制が続いている。
 朴大統領が先月16日に中南米4カ国歴訪に出発した直後、李完九(イ・ワング)前首相が辞任したため、朴大統領不在の今、崔ギョン煥(チェ・ギョンファン)経済副首相兼企画財政部(省に相当、以下同じ)長官が政府のトップとして職務を代行している。
 朴大統領は先月27日に帰国した直後、過労による胃けいれんと咽頭炎のため公式日程を全てキャンセルし、今も静養中だ。

 このような現状を受け、政権運営の主導権は現在、与党セヌリ党と国会が握っている。
 セヌリ党は大統領府と政府の反対を押し切って野党と公務員年金改革案に合意したが、すると担当部処(省庁)である保健福祉部の文亨杓(ムン・ヒョンピョ)長官がセヌリ党本部を訪問して抗議した。
 まさに笑うに笑えない事態だ。
 大統領府も与野党が国民年金改革で一致したことに対し、公開の席で「明白な越権行為」などとコメントした。
 しかし大統領府には再交渉を求める気概も迫力もないため、気弱な人間が後ろでぶつぶつ不平を言っているようにしか見えない。
 これでは党と政府と大統領府間の不協和音がまさに深刻なレベルに達していると言わざるを得ない。
 (中略)

 外交・安全保障政策はさらにひどい。
 今月1日に劉承ミン(ユ・スンミン)院内代表や元裕哲(ウォン・ユチョル)政策委議長などセヌリ党執行部は外交部の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官と国防部の韓民求(ハン・ミング)長官を呼び、政府と与党による意見交換の場を持った。
 この席で党側は「韓半島(朝鮮半島)周辺強国が国益と実利という次元から幅広く動き出した影響で、これまでの外交・安全保障政策が揺らいでいる。わが国だけがどっちつかずの態度を取っているため外交面での孤立状態に陥っているのではないか」と指摘し、見解を問いただした。
 すると尹長官は「そんなに心配する必要はない」という言葉を繰り返すばかりだったという。
 そのため、この場に同席していたある与党関係者は「同じ言葉を繰り返すだけなら、政府・与党による協議など必要ない」と言い残して席を立った。
 政府の外交政策は、今や与党さえ説得できないほど完全な崩壊状態に陥っているのだ。

 朴大統領にとって就任から3年目となる今年は大きな選挙もないことから「これまで後回しにされてきた重要課題が力強く推し進められるのでは」といった周囲の期待が当初から大きく、また朴大統領自身も「政権運営のゴールデンタイム」などと語っていた。
 ところが蓋を開けてみると労働改革は完全にストップ状態で、公務員年金改革は「味気がない」と皮肉られるほど中味のないまま終わった。
 その影響で今や改革を推進する力さえ失われようとしている。
 さらに日本の安倍政権による円安政策に押されて経済は回復の兆しもなく、外交も完全に行き詰っている。
 どれをとっても国民を安心させられるような成果が出たというニュースはどこからも聞こえてこない。

 このように完全に行き詰った現状に対し、朴大統領はそれぞれの解決策を見出した上で1日も早く復帰を果たさねばならない。
 まずは国民が納得できる人物を新しい首相に任命し、政府に求心力を取り戻すことが何よりも急務だ。
 同時に外交・安全保障政策の担当者を一気に見直すことも必要だろう。
 もし今回も人材の入れ替えに失敗し、政策を実行に移す力を取り戻すことができなければ、今の政権は無気力どころか、最終的に「無能な政権」という汚名を間違いなく残してしまうだろう。
(ここまで引用)


 引き続きハンギョレです。

 日本発の寒風に韓国外交が疲弊している。
 いくら寒風が吹こうが先天的に体質が強かったり、備えが徹底している人は風邪をひかないものだ。
 国も同じだ。

 4月末、日本の安倍晋三首相の米国訪問を契機に実体を現した“米日新蜜月時代”は、国際問題に一定の見識がある人ならば誰もが予想したことだ。
  中国の経済・軍事的急浮上を憂慮してきた両国は、相当以前から今回の首脳会談の焦点を中国牽制に合わせて着々と準備をしてきた。
  その結果が今回の首脳会談から出た米日新防衛指針であり、環太平洋経済パートナーシップ協定(TPP)の事実上の妥結だ。
 両国がこのように軍事・経済両面で中国封鎖に力を注ぎ、韓国外交がこだわった日本の過去事反省は後まわしにされざるをえない状況だった。
  これが今、韓国の外交が当面している現実だ。

 しかし、韓国の外交はまだ気がついていない。
  中国の習近平国家主席と安倍首相が共に参加したインドネシアのバンドン会議60周年記念首脳会議を、外交の門外漢であるファン・ウヨ教育部長官に押し付けて朴槿恵大統領がこれといった懸案もないコロンビア、ペルー、チリ、ブラジル歴訪に出た時からを振り返って見た。
  バンドン会議記念首脳会議が開かれていたその期間に、朴大統領が訪問中だったペルーが40年前の1975年に韓国と北朝鮮の非同盟会議加入外交折衝戦で韓国に敗北を抱かせたまさにその国だったという事実を大統領は知っていたのだろうか。

 米日首脳会談の衝撃が国を揺さぶっている渦中なのに、大統領は南米歴訪中に罹った病気を理由に一週間余り姿を隠して現れ、外交責任者は相変らず韓国外交が「重心を捉えてよく対処している」と実力以上の虚勢を張っている。
 一級国家秘密といえる大統領の病状を具体的にさらすこと自体が驚くべきことだが、セウォル号(沈没当日の)7時間の行跡は極秘だとしてガチガチに隠している姿勢とも極めて対照的だ。
  国内外の苦境が負担になって“病気にかこつけ潜伏”したのではないかという話が出たのも無理はない。

 日本発の外交危機は避けていたり、実力以上に虚勢を張っていても抜け出すことはできない。
  情勢を冷徹に診断することから始めなければならない。
 そして場合によっては、実利のために名分を果敢に後退させることも辞さない覚悟が必要だ。

 先ず、歴史問題を日本問題解決の入口とする原理主義から抜け出す必要がある。
  米日首脳会談で明らかになったように、米国は日本の過去に対する反省より中国牽制を優先順位の上位に置いている。
 安倍首相もこの間、過去に対する反省を条件に関係改善を図る意志がないことを繰り返し明らかにしてきた。
 中国も二度の中日首脳会談を行い、いつでも韓国を置き去りにして日本と取引できることを見せた。
  このような状況では安倍政権が終るまで日本との関係改善をあきらめるか、あるいは歴史問題を前提とする路線を修正するかしかない。
  しかし、歴史問題で日本との関係を全面中断するには歴史以外の役割がとても大きい。
 “歴史迂迴路”を探さなければならない。

 日本の集団自衛権行使と米日新防衛指針に対しても、「歴史に対する反省のない日本の朝鮮半島への介入反対」という心情論でのみ対処できることではない。
 韓国の安保は今相当部分を米軍に依存していて、朝鮮半島有事の時に米軍は在韓米軍と在日米軍が有機的に連動して対応する構造に仕組まれている。
 陸軍中心の在韓米軍と、海軍、空軍、海兵隊が中心の在日米軍が一体になって動くことになっているわけだ。
 さらには日本国内の米軍基地7カ所が朝鮮半島有事の時に備えたUN司令部の後方支援基地に指定されている。
 こういうことを考えれば、日本の円滑な米軍支援が、むしろ韓国の安保を助ける側面がある。
 しかも朴政権が戦時作戦権を米国に事実上、無期限譲渡した状態なので、米国が日本の朝鮮半島介入を望めば反対する力もない。
 日本の介入が嫌ならば、米軍依存度を減らす体制を構築するとか、少なくとも戦時作戦権を還収するしかない。

 外交・安保当局者がこういうことを分からないでいるならば無能と言わざるを得ず、知っていながら沈黙しているならば卑怯だ。
 どちらであれ、国を危うくするのは全く同じだ。
(ここまで引用)


posted by 永遠の旅行者 at 22:56 | ソウル | Comment(0) | TrackBack(0) | 韓国政治 反日の朴槿恵政権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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