2015年04月26日
「黄金時代が過ぎた」と警告する韓国識者 外交失敗認めない朴槿恵政権
 米国と中国を相手にバランス外交を展開し、双方の仲介者の役割を果たし、韓国の「実利」を最大化することを外交の基本とする朴槿恵政権ですが、現実には米中間で板挟み状態になり、双方から不信を買う結果になりましたね。



スポンサードリンク


 サムスン電子と現代自動車が牽引する貿易産業で破竹の勢いだった韓国経済も、アベノミクスと企業の底力で復活した日本と、激しさを増す中国の追い上げで苦戦中。

 不動産バブルが事実上崩壊し、多くの国民が自宅不動産を担保に金融機関から多額のカネを借り入れ続けた結果、「個人負債」の総額はとんでもないレベルに達し、「韓国版サブプライム危機」の発生が懸念される一方で、これが重しとなって内需は沈滞したまま。


 前の李明博政権時代には「韓国は経済大国になり、先進国の仲間入りをした」と自信を深め、東日本大震災で右往左往する日本を目の当たりにして、この自信感が「過信と驕り」に変容し、過去の劣等感の裏返しから「日本を見下す」態度を強めていたのもつかの間、昨年のセウォル号沈没事故で天地がひっくり返るほどのショックを受け、多くの国民が「韓国はまだ、発展途上国レベルだった」と一気に意気消沈。


 セウォル号事故で露呈した韓国の「安全軽視社会」の現実は、その後も相次ぐ鉄道、船舶事故などで根深さを実証し、市民の不安を増幅させると同時に、政府や大企業への不信と疑念を蔓延させました。

 また、セウォル号の遺族たちを左派勢力が政権攻撃のため徹底的に政治利用し、悲しみで周囲が見えなくなった遺族たちは「被害者」であることを錦の御旗にして政府に無理難題をつきつけ、その傍若無人ぶりに一般国民は鼻白み、陰でさげすむように。


 朴槿恵政権が進める公務員年金優遇問題や労働問題などの重要改革は、既得権を持つ勢力と激しい対立を引き起こし、ここでも政権攻撃のためなら何でもする左派中心の野党勢力が既得権グループ側に加勢。

 朝鮮王朝時代の激しい党派対立を彷彿とさせるような堂々めぐりの議論と抗議デモの頻発で、見ている国民には疲労感ばかりが募ります。


 ただでさえ、国民は深刻な若者の就職難と「格差社会」の進展に出口の見えない絶望とやり場のない怒りを溜め込んでいる中、今月発覚した朴槿恵大統領側近による裏金授受疑惑で首相が辞意を表明し、政局は一気に流動化の様相。
 疑惑は、裏金が朴大統領の選挙資金に使われた「朴槿恵政権疑獄」に発展する可能性もあり、内政は極度の混乱状態に陥ってしまいました。


 こうした中で、韓国の識者から最近、前の李明博政権が韓国の「黄金時代」であり、今やピークを過ぎ下り坂にあるのではないか、という意見が目立ってきました。

 事実、韓国はここ数年で経済成長率の鈍化が顕著となり、少子高齢化の進展で人口がほぼピークに達し、間もなく生産人口が減少に向かい始め「人口ボーナス」が無くなります。
 さらに躍動的な社会の雰囲気にも陰りが見え、ここ数年、1990年代のファッションや音楽が流行する「レトロブーム」が起きていることなども、こうした見解の傍証として取り上げられています。


 先日も、こうした見解を外交安保の観点から俯瞰したコラムが朝鮮日報に掲載されていたので、ここに紹介しておきます。
 以下は「韓国の『黄金期』が幕を下ろす時」という池海範(チ・ヘボム)東北アジア研究所長のコラムです。

 ここ30年間にわたって韓国が国際社会で味わってきた特別な黄金期が徐々に陰りを見せ始めている、といった懸念を拭い去ることができない。
 韓国が産業化の結実を感じ始めた1980年頃から現在までの期間は、檀君(伝説上の古代朝鮮の王)以来最も豊かな生活を送った民族史の黄金期だった。
 国際社会における韓国の地位は他のどの時代よりも高く、周辺国との関係も対等だった。
 韓国人は海外に出て堂々と競争して成功を勝ち取った。
 韓国が中国、日本、ロシアをこれほど甘く見たことが、高句麗以来の1500年間にあっただろうか。

 しかし最近、北東アジアで起こり始めた激動の波は、黄金期を支えた外交安保のフレームを根本から揺さぶり始めている。
 激動の波の震源地は中国だ。
 わずか数十年で米国、日本が警戒する超大国として成長した中国は、米国中心の戦後の国際秩序を変えようとしている。
 昨年7月に行われたBRICs(ブリックス:ブラジル、ロシア、インド、中国)の首脳会談で習近平主席が言及した「中国方案(Chinese Solutions)」は、中国式の解法で国際社会に新たな秩序をつくり上げるというものだ。
 アジア・インフラ投資銀行(AIIB)と「一帯一路(陸地と海上の新シルクロード)」はその実践といえる。
 中国の「現状変更」戦略は必然的で、「韓半島(朝鮮半島)の現状変更」を伴っている。
 中国が韓米合同の軍事演習や終末段階・高高度防衛ミサイル(THAAD)の配置問題でソウルに圧力をかける一方で、「韓中親戚論」と「韓中同盟論」を取り上げ韓国を慰労するのは、韓国を米国の懐から引き離すためだ。

 中国の復活を最も認めたがらない国が日本だ。
 1世紀にわたって中国に対し優位を占めてきた日本は2010年末、経済規模で中国に追い抜かれると、全国民が心理的な総動員態勢に突入したように見える。
 安倍首相は日本を再び「戦争と海外派兵ができる国」にした。
 北朝鮮有事の際に中国軍が韓半島(朝鮮半島)に侵攻すれば、自衛隊を送る構えだ。
 安倍首相は歴史的真実とは関係なく、独島(日本名・竹島)を手に入れることが中国軍やロシア軍を相手にするのに好都合と見ている。
 日本文化庁が「任那日本府説」を再び取り上げたのも、中国の東北工程に対応するのが狙いだ。
 中・日葛藤により韓国が最も被害を受ける構図が再現されている。

 こんな時、韓国の外交安保部処(日本の省庁に当たる)は決まって「信じられるのは韓米同盟だけだ」と言っては「兄さん」が審判官を引き受けるよう頼み込む。
 しかし、米国はすでに100年前、貧弱な韓国よりも強い日本をアジアのパートナーとして選択した。
 軍隊もなしに大国の間で「曲芸外交」を繰り広げて「兄さん」に捨てられた指導者が、ほかでもない高宗だった。
 最近、韓国を見詰める米国の眼差しも年々険しさを増している。

 朝鮮半島に押し寄せる荒波は、大国の「巨大なチェス」によって作られる。
 船長と船員が団結しても容易に乗り切ることはできない状況で、韓国号は四分五裂、自中之乱(仲間内の争いの意)に陥っている。
 葛藤を解決するどころか拡大再生産する政界、巨大な利益集団へと変化した公務員組職、血税の横領にあくせくする一部の軍幹部。
 5000年の歴史でまたとない黄金期がこうして過ぎ去ろうとしている。

 歴史のチャンスを逃し、韓国の利益が排除された新たなチェスが組まれれば、韓国人の子孫は今よりもはるかに苛酷な局面に直面するかもしれない。
 これまでの統一安保戦略は無用の長物になりかねない。
 新たなチェスが組まれる前に、チェスに割り込まなければならない。
 そのための戦略と国力を育てていくべきだろう。残された時間はあとわずかだ。
(ここまで引用)


 どうですか。

 韓国人らしい「とんでも日本観」も含まれていますが、わりと現状を正確に把握しています。
 ただ、多くの政治家と一般国民は相変わらず「韓国は米中両国と緊密な関係を築き、日本を孤立に追い込んでいる」と信じています。

 外交失敗を認めたくない朴槿恵政権も、こうした宣伝を続けていますし、一般国民の主要な情報源であるテレビニュースは政権の影響力が強く及ぶので、政権寄りにバイアスのかかった内容です。


 本当に、激動する国際情勢を正しく把握できず、指導者の無能と朝廷内の党派闘争の末に「亡国の道」を邁進した大韓帝国末期と似てきましたね。

 ただ、韓国が非現実的な夢から目を覚まし、対中関係を見直し、対日関係改善と米韓同盟復元に乗り出すことが北東アジア地域の安定に役立つ道であり、日本の「国益」にもかなうので、そのようになることを願っていますが、なかなか難しそうですね、





posted by 永遠の旅行者 at 12:40 | ソウル | Comment(0) | TrackBack(0) | 韓国政治 反日の朴槿恵政権 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。