2015年04月19日
「借金して株投資」が過去最高 史上最低の金利環境で個人投資家はリスク全開
 韓国の個人投資家たちが証券会社からカネを借りて株を買う動きが加速しているようです。




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 韓国銀行(中央銀行)が史上初めて基準金利を年1%台に引き下げたのを受け、株式市場に資金が一気に流入、韓国総合株価指数は過去最高値圏で推移しています。
 この中に個人投資家のレバレッジをかけたカネも大量に含まれているのは間違いありません。


 朝鮮日報によると、証券会社の信用融資額は7兆759億ウォン(約7756億円)に達し、過去最多だった2007年6月26日の7兆105億ウォン(約7684億円)を上回りました。
 今年初めは5兆ウォン(約5480億円)台だったものが、わずか4カ月で2兆ウォン(約2192億円)近くも増加したとか。


 実際、基準金利引き下げ後の数日間、市中銀行の金利が連動して低下する前に、余裕資金を定期預金に預けておこうとする一般市民で銀行はごった返しました。

 もちろん、混雑したのは、それなりに裕福な地域にある銀行だけで、低所得者層の住民が多い地域はそうではありませんでしたが。


 私の嫁さんも、ちょうど満期を迎えたばかりの農協定期預金の「ウォン」を信用金庫の定期預金に預け替えていました。
 都銀よりは信用金庫や農協、貯蓄銀行の方がそれなりに金利が高い上、万一、破綻しても5千万ウォンまでの預金は国によって保護され、安全だからです。

 韓国の預金保護制度は日本とほぼ同じですが、保護対象金額が日本の「1千万円まで」よりも低いので、複数の金融機関に分散する手間は増えるものの、仕方ありませんね。


 話が少し脱線しましたが、再び株の話題に戻ります。

 個人投資家が借金をしてまで株を買っているのは、銀行にカネを預けてもここ数年間で利子が大幅ダウンする一方で、借金返済の金利負担が低下したことから、「低金利のカネを借りて株投資を行えば大きく儲かる」という発想のようです。

 基準金利が1%台に突入し、こうした借金の「割安感」が一気に拡散したのでしょうね。
 ここまでくれば、一種のバブルと言えます。


 さすがに朝鮮日報も「(株が暴落した場合)個人投資家たちは株価が下がって金を失うだけでなく、借りた金の返済まで重なり二重苦にさいなまれる」と指摘し、行き過ぎた株投資に警鐘を鳴らしています。


 そもそも米国が量的金融緩和を終了し、金融引き締め開始が時間の問題になっている中、韓国銀行の基準金利引き下げをめぐっては、朴槿恵政権内はもちろん、メディアでも「景気回復のため不可避」という声が支配的な一方で、専門家の間では慎重論も根強くあります。

 それは韓国が近い将来、金利引き上げに転換した場合、「韓国版サブプライム」危機を引き起こすリスクを高めてしまったからです。


 金融の世界では「新興国」である韓国は、海外からの短期資金流出を防ぐために、米国が金利を引き上げれば、米韓金利差を広げないよう追随を余儀なくされます。

 ところが、韓国では自宅不動産を担保にして金融機関から多額融資を受ける形で「家計の負債」が積み上がり、既に危険水域に達しているにも関わらず、今回の金利引き下げで借金が容易になったため「家計の負債」はさらに増加しました。

 自宅不動産を購入する際、将来の値上がりを見込んで無理なローンを組み、「元金」返済を当面先送りして、変動金利ローンで「金利」分だけを返済している人がとんでもなく多いのが現状。

 この結果、銀行の金利が上がれば、「金利」分の返済額が急増するだけでなく、将来の「元金」返済はほぼ不可能になり、「デフォルトする国民が続出→不動産価格が暴落→不動産値下がりに絶えていた国民もデフォルト→さらなる不動産価格の暴落」という悪循環に陥ることが予想されます。


 簡単に言うと、株式市場でも同様な事態が起きる危険性が高いと見られるわけです。
 もちろん、株式市場における個人投資家の資金の割合は不動産市場におけるほどは高くないとは思われますが、強力な「時限爆弾」の1つであることは確かです。


 中国発の危機が発生し、2〜3年程度の経済停滞期が訪れた場合、韓国は不動産や株の問題に加え、輸出不振で貿易黒字が急減しつづける事態に陥るかも知れません。
 そうなれば、巨額の外貨準備がそれほど当てにならないことは、最近のロシアの事態が証明しました。

 もちろん、韓国の財政状態は、将来の見通しはともかく、現時点ではそれほど悪くないので、2008年のリーマン・ショック後に当時の李明博政権が行ったように巨額の公共事業などで需要を喚起して乗り切ることは不可能ではないのかも知れません。
 あの時は、株と通貨は徹底的に売り込まれましたが、不動産バブルの完全崩壊(バブルは事実上崩壊していると言えますが、投げ売りによる大暴落には至っていません)は阻止しました。

 次の危機発生時も、「不動産」次第なのでしょうね。



posted by 永遠の旅行者 at 12:12 | ソウル ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 格差と対立の韓国社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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