2015年03月31日
韓国外相、朴槿恵政権の外交「数々の成果」と自画自賛 韓国メディアもあきれ果てる
 尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官(外相に相当)が30日、ソウルで開かれた在外公館長会議で行った演説について、韓国メディアから「自画自賛ばかり」「あきれて物も言えない」という非難の声が上がっています。




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 韓国は終末高高度防衛ミサイル(THAAD)の在韓米軍配備問題や、中国主導のアジア・インフラ投資銀行(AIIB)への参加決定について、米国と中国の双方から強い圧迫を受け、板挟み状態に陥りましたが、尹炳世氏は演説でメディアや専門家からの批判や忠告を一笑に付したからです。


 演説では「数々の成果を収めた」「国益を極大化した」などと、朴槿恵外交の「成功」を強調するフレーズが散りばめられる一方で、「反省」や「残念」という言葉はゼロだったとか。


 さらに「ハイレベルな外交事案を1、2次元的に単純に考える態度」、「敗北主義的、自己卑下的、ひいては事大主義的な見方」と外部の批判に反論し、「苦悩のない無責任な批判に気を使いすぎる必要はない」と言い切ったそうです。

 米国、日本、中国、ロシアという「大国」に囲まれた韓国の地政学的条件についても「ジレンマではなく祝福だ」と強調しました。


 さすがに朴槿恵政権の「機関紙」と称される朝鮮日報も、尹炳世氏の開き直り的な態度にカッときたようで、社説とコラムの両方で、同氏を思いっきり叩いています。

 同紙の社説は「(朴槿恵政権は)誰が見ても大国の意向をうかがうことばかりに気を使っている。そのため尹長官の言葉にどれだけの国民が共感するのか、あるいは韓国を取り巻く現在の状況はどうなっているのか、尹長官にあらためて問いたださざるを得ない」と激しく反発しました。


 尹炳世氏は職業外交官出身で、「反米」だった盧武鉉政権で大統領外交安保首席秘書官として、当時の韓国外交の実質的な舵取りを行った人物です。
 早くから朴槿恵大統領の外交ブレーンとなり、朴槿恵外交の基軸である「米中二股外交」と「反日政策」の立案に深く関わっている模様です。

 盧武鉉政権は、韓国が米中両国の仲介役となり、北東アジアの「バランサー」として存在感を発揮することを目指しましたが、中国との関係がもともと緊密ではなかったため、「米国離れ」をして「自主外交」を行うには限界がありました。

 北朝鮮の脅威に晒されている韓国としては、米国の代わりに北朝鮮の暴発を抑止し、仮に有事となれば共同で韓国防衛を担ってくれる国が見つからない限り、「バランサー」構想は絵に描いたモチだとこの時、自覚したのです。

 結局、夢から覚めた盧武鉉政権は、イラク戦争後に大量の韓国兵をイラクに派兵するなどして、米国に恭順の意を示さざるを得ませんでした。


 日本は小泉政権時代で、日米関係が最高の蜜月状態だったこともあり、韓国が歴史や領土問題で日本に攻勢を掛けても、日米から相手にされず、盧武鉉氏は外交安保がボロボロの状態で任期を終えました。


 私の個人的な推測ですが、尹炳世氏は、韓国が北東アジア地域で大きな影響力を持つには、米国一辺倒ではない「バランサー」となることが必要だ、という信念を持ち続けているのでしょう。
 今回はリベンジなのです。

 そして「中国の勃興と米国の衰退」という国際情勢の変化を受け、今回こそは、米中の間で二股外交を行い、どちらか一方に偏らないことで、双方から「実利」を得られると考えたのではないでしょうか。


 まあ、これは北朝鮮が東西冷戦期に旧ソ連と中国を天秤にかけた外交を展開し、利益の最大化を狙ったように、朝鮮半島ではポピュラーな発想と言えます。


 つまり、以下のように考えたのでしょう。
 韓国政府は憲法裁判所の決定を受け、慰安婦問題解決に向け十分に努力する義務が課されているため、いずれにせよ日本政府に対し強硬に出ざるを得ない。

 それなら最初から歴史問題を前面に押し出して日本に攻勢をかける方が得策。
 日本が譲歩すれば「大きな成果」を手にできるし、そうでなければ、「日本の不誠実な姿勢」を理由に、中国が警戒する日米韓の軍事協力に応じない口実もできる。

 オバマ大統領は「親韓」であるし、口実さえあれば米韓関係に支障を来さないで、中韓関係を強化することが可能となるではないか。
 その上、「親日・朴正煕元大統領の娘」という朴槿恵氏の最大の弱点を「反日」政策でカバーできる、と。


 韓国の中長期的な思惑としては、「いずれは中国が米国を追い越すだろうから、早めに仲良くしてナンバー2の地位を確保しておきたい」という計算があるのは当然です。


 現在は、習近平政権から予想以上に強圧的な脅迫を受けているため、朴政権内でも不安と焦りが出ているのは間違いないでしょうが、尹炳世氏の演説を見ると、朴槿恵大統領は現在の外交スタンスのまま突っ走るつもりなのでしょうね。


 まあ、外交政策の修正を始めると、野党勢力やメディアから「ほら、最初から全て間違っていたじゃないか」という批判を受けるのは確実なため、結局は修正は出来ないのでしょう。

 安倍首相にとっては、その方が好都合でしょうから、短期的には日韓両首脳とも「ウィン、ウィン」の関係と考えられます。





posted by 永遠の旅行者 at 16:57 | ソウル ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | 膨張中国と対決する日米、従属の韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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