2015年03月20日
韓国、大学進学率が過去10年で10%急減 「超学歴社会」に変化? 人生を冷ややかに見る「さとり世代」注目
 韓国統計庁が19日発表した「韓国の社会指標」統計によると、昨年の高卒者の大学(短大や教育大を含む)進学率は70.9%だそうです。
 聯合ニュースによると、前年に比べ0.2ポイントの上昇ですが、大きな流れとしては、2005年の82.1%をピークに下落傾向にあるとか。


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 男女別では、男子の進学率が前年比0.2ポイント増の67.6%、女子が同0.1ポイント増の74.6%。
 かつては男子の方が高かったものの、2009年に男子81.6%、女子82.4%で逆転して以降、男女の差は12年が5.7ポイント、昨年が7.0ポイントと徐々に開いているといいます。


 日本の大学進学率が50%ほどで頭打ちの状態ですから、そこから見れば「韓国は随分と高いな」という感想になります。

 ただ、以前に日本生命が経済協力開発機構(OECD)の「 Education at A Glance 2012」を引用して示していた国際比較を見ると、オーストラリアやアイスランドは大学進学率が90%を超えており、米国も70%以上。
 ドイツは42%と日本より低いですが、OECD平均が62%ということなので、日本がやや低すぎるのかもしれません。


 これは、日本が学歴社会とは言っても、昔から物づくりを大切にする文化風土があり、「代々の家業を継いで職人になる」ケースや、製造業での高卒者需要が高かったからなのでしょう。
 これと似た風土を持つドイツも低いところを見ると、当たらずとも遠からずの見方ではないでしょうか。


 また、日本では一芸に秀でていれば、人々が学歴の有無によって色眼鏡で見たりはしません。
 芸能人が寄付金を積んで、とにかく大学卒業資格の獲得を目指す韓国とは違い、日本では「東大卒」でも無い限り、芸能人の学歴に関心は持たれませんし、当人たちも重視していないでしょう。

 この辺も、大学進学率が極端に上がらない背景なのかも知れませんね。


 韓国では、かつては大学を出ていないと分かると、それだけで「人生の失敗者」のように見られましたし、毎年繰り返される「修能」(大学修学能力試験の略称、大学共通の入学試験)をめぐるバカ騒ぎを見ると、今も同じような状況であるのは間違いありません。


 そういった社会風土の中で、大学進学率が10年間で約10%も下落したというのは、社会の奥底で大変な意識の変化が起きつつあるのでしょう。

 少子化の流れの中で、韓国でも地方大学は定員が埋まらず、中国からの留学生などを大量に受け入れて、なんとか一息ついている状態ですから。


 一体どんな意識変化があったのでしょうか?

 韓国では最近、不景気を背景に、人生に冷めた見方をする「さとり世代」が広がっていると言われます。

 格差が半ば固定化し、「どうがんばっても、これ以上は無理だ」と競争を諦め、就職や恋愛、結婚、出産までも放棄して、自分の世界の中で生きようとする人々です。


 まあ、「発狂するような競争社会」の韓国で、その「競争」から完全に降りてしまうと、別の風景が広がるのかも知れません。

 一方で、こうした傾向が広がれば、社会のダイナミズムは確実に低下するため、「夢も希望も持てない若者」が増えていることに当然、懸念の声も上がっています。


 大学進学率の低下についても、同じような背景があるのではないでしょうか。

 ソウル大、高麗大、延世大といった超一流大に入れるならともかく、無名の地方大に行っても何の自慢にもならないし、「どうせ一流大合格が無理と分かっているのに、苦労して勉強だけする意味が無い」と考える高校生が増えても不思議ではありません。

 「さとり世代」は若い社会人の現象ですが、こうした意識がさらに下の世代にまで伝搬している可能性はあります。

 もっとも韓国人に、「見てくれ」と「メンツ」を完全に捨てることができるのか、分かりませんが。(笑)


posted by 永遠の旅行者 at 10:23 | ソウル 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 格差と対立の韓国社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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