2015年03月18日
「サード」配備問題で米中の圧力強まる 朴槿恵政権は悲鳴、判断先送り継続
 米国が韓国への配備を推進している高高度防衛ミサイル(THAAD=サード)をめぐり、配備受け入れを迫る米国と、拒否を求める中国の狭間で、韓国がいよいよ追い詰められています。




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 朴槿恵政権は、これまでTHAAD配備問題について、「米国からの要請もなく、協議も行っておらず、決定されてもいない」という「三無」の立場を堅持していますが、今週、米中両国の高官が訪韓して交互に圧迫を加え出すと、政府内で悲鳴が上がり始めた感じです。


 さすがに、事態がここまで来ると、韓国メディアも中国の強引さに反発を感じている様子ですが、この蟻地獄のような泥沼から、簡単に脱出する術はなく、朴槿恵政権は「行くも地獄、戻るも地獄」といった状況ですね。


 注意したいのは、韓国では朴槿恵政権と対立する最大野党「新政治民主連合」についても、党内の主要勢力はもともと「反米親中、親北朝鮮」であり、野党寄りのメディアも同様だということです。
 ここに朴槿恵政権と保守与党「セヌリ党」まで中国傾斜を強めたので、韓国には事実上、「反中」の政治家やメディアは存在しない状態です。


 ただ国会外に目を移せば、伝統的な親米保守勢力は、まだまだ「米韓同盟」を最優先し、共産主義中国への警戒感を解いていませんが、その影響力はかなり低下。
 実質的には朴槿恵政権の「離米従中」に引きづらつつあります。

 挙げ句の果てに、保守勢力の中でも「どの道、韓国は地政学的に周辺大国に振り回されるのは仕方なく、米国と中国の間で一定の外交バランスを取るしかない」という雰囲気が支配的のようです。


 まだ「米韓同盟を無条件に優先すべき」という人もいますが、次第に少数派になってきていますね。


 以下はハンギョレ新聞の記事です。
 野党寄りですので、反米親北朝鮮の立場で偏向しており、「米国の言いなりになるな!」というトーンで書かれたものであることを念頭に置いて読んでください。

 韓国と米国が17日、ほぼ同時に、ほぼ同じ強度で「サード(THAAD/高高度防衛ミサイル)の韓国配備」に対する中国の問題提起に反論した。
 サード問題をめぐる米中2大国による「ソウル外交戦」で、韓国がまず同盟国である米国側の援護射撃に出たわけだ。
 これに対して中国が再反論に出るなど、サードをめぐる韓国と周辺国との外交摩擦が顕在化している。

 訪韓した米国務省のダニエル・ラッセル次官補(東アジア太平洋担当)はこの日、サードの韓国配備問題と関連した、中国の懸念表明について「まだ配備されておらず、理論的な問題である安全保障システムについて第3国(中国)が強く(反対の)声を上げることを不思議に思っている」と述べた。

 前日、中国外交部の劉建超(リュ・ジェンチャオ)部長助理(次官補)が「中国の関心と懸念を重視してくれることを望む」と公開的に懸念を示したことに対する反論とみられる。
 ラッセル次官補はソウルの外交部庁舎でチョ・テヨン外交部次官を表敬訪問した後、午前10時52分頃、記者たちと会って発言した。

 さらに彼は「韓米両国は、北朝鮮の弾道ミサイルプログラムによる重大な脅威に直面しており、私たち(米国)軍当局には韓国と韓国の市民、米国を保護するためのシステムを検討する責務がある」と明らかにし、サードの韓国配備の必要性を迂回的に提示した。

 彼はまた、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)への韓国参加問題についても「銀行支配構造と透明性」を強調した後、銀行運営過程を見守る必要があるとの趣旨の言及をし、韓国が3月末の期限内に創立メンバーとして加盟することに否定的な認識を示した。

 ほぼ同じ時間の午前10時30分頃、韓国国防部のキム・ミンソク報道官はソウルの国防部庁舎で開かれた定例ブリーフィングで、「周辺国が在韓米軍のサード配備について自国の立場を持つのは構わない。しかし、私たち(韓国)の国防安全保障政策について影響力を行使しようとしてはならない」と述べた。

 「周辺国」と表現したが、事実上の劉部長助理の発言を指したもので、ラッセル次官補よりも明確に不満を示した。

 キム報道官は、「在韓米軍のサード配置に関連する問題は、漸増する北朝鮮の核とミサイルの脅威に対する抑止策と対応策の観点から始まった事案」だとし、「国防部は、もし、在韓米軍のサード配備について、米国政府が決定して協議を要請してくる場合、軍事的な効用と国家安全保障上の利益を考慮し、私たち(韓国)の主導で判断して決定する計画だ」と付け加えた。

 国防部当局者は「キム報道官の発言が外交部など他の省庁と調整された政府の立場なのか」という質問に「そう受け取ってもらって構わない」と答えた。

 しかし、外交部当局者は「(部署間の)意見調整はなかった」とし、これを否定した。
 彼は韓国と米国の発言が類似しているという指摘にも「サードは韓米間の議題として議論されなかった」と述べた。

 「第3者は口を挟むな」という韓米のメッセージに対し、中国は「一国が自国の安全を図るには、必ず他国の安全に対する懸念と地域の平和安定度を考慮すべきだ」と再反論した。

 中国外交部の洪磊(ホン・レイ)報道官はこの日の定例ブリーフィングで、キム報道官の発言と関連して「私たちは、関係国(韓国と米国)が関連の決定を慎重に行ってくれることを望む」と重ねて懸念を表明した。
(ここまで引用)


 どうですか。

 この記事だけ見ると、韓国政府が完全に米国と歩みを一にしているように見えますが、実際には、朴槿恵政権は「どうしようか。どうしようか」と右往左往しているのが実態と思われます。

 ハンギョレは、「朴槿恵政権は米国の言いなりだ」と批判し、国内の反米情緒に訴えかけると同時に、「中国を怒らせると怖い」という恐怖心をやんわりとあおり、配備拒否へと世論を誘導する意図があるのでしょう。


 保守系メディアの中には、韓国政府は結論を先延ばししながら、配備に向けて中国を説得する妙案を探ろうという腹づもりのようだ、と見ているところもありますが、先行きはなかなか見通せません。


 朴槿恵政権内には、米国大使襲撃事件の影響もあり、オバマ政権の圧力を交わすのは困難になったと思っている人が増えているでしょうが、最後は大統領の決断にかかっており、米国も安心していると思わぬ「裏切り」に遭いかねません。

 仮に「配備拒否」のウマイ「口実」が見つかれば、何食わぬ顔で中国にすり寄りかねないのが今の韓国政府の実態だと考えられるからです。


 まだまだ、ゴタゴタは続きそうですね。





posted by 永遠の旅行者 at 17:57 | ソウル ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 膨張中国と対決する日米、従属の韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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