2015年03月11日
大韓航空機でナッツ出した客室乗務員が「ナッツ姫」を提訴 米国の裁判所、復帰後のイジメ見越し巨額和解金を狙う?
 大韓航空を傘下に持つ財閥「韓進グループ」のオーナー一家の娘で、同社副社長だった趙顕娥(チョ・ヒョナ)氏(40)が客室乗務員のナッツの出し方が間違っていると激怒、滑走路に移動中の飛行機を引き返させ、客室サービス責任者の事務長を降ろさせた「ナッツ・リターン事件」。

 趙顕娥氏は地裁で懲役1年の実刑判決を受け、これを不服として現在控訴中ですが、事件当時、客室乗務員としてナッツをサービスしたキム・ドヒさんが米国で趙顕娥氏と会社を相手取り損害賠償訴訟を起こしたそうです。




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 久々にナッツ・リターン事件の話題ですね。(笑)

 当時、飛行機を降ろされた客室サービス責任者の事務長が長期間にわたり休職中(今年に入り短距離路線の乗務に復帰したものの、再び休職)ですが、ナッツを出した客室乗務員の動静はこれまで表に出ませんでした。

 事務長は事件後、テレビのインタビューで涙ながらに趙顕娥氏の非道ぶりを訴えました。
 ナッツを出した乗務員も大変な精神的打撃を受け、趙顕娥氏の仕打ちに対する憤怒に駆られていることは想像できるものの、米国で訴訟を起こすとはよほどのことであり、相当な覚悟なのは間違いありません。


 以下は聯合ニュースの報道です。
 大韓航空の趙顕娥・前副社長が女性乗務員のナッツの出し方に激怒し離陸直前の航空機を引き返させた事件で、ナッツをサービスしたキム・ドヒさんが11日までに米国で趙前副社長と会社を相手取り損害賠償訴訟を起こし、その背景と意図に関心が集まっている。

 キムさんが韓国ではなく米国で提訴したのは、米国の裁判所の方が精神的な被害などに多額の賠償を命じる傾向があるためとみられる。ある弁護士によると、韓国では数百万ウォン(数十万円)しか受け取れないケースでも、米国でなら数十万ドル(数千万円)を受け取ることも可能だという。

 AP通信などによると、キムさんの弁護側は、キムさんは精神的なダメージを受け、乗務員としてのキャリアや社会的評判にも傷がつくなど、多大な損害を受けたと主張している。また、韓国にはない懲罰的損害賠償金の支払いも要求している。

 弁護側は、趙前副社長と大韓航空が損害賠償をめぐる協議に応じなかったとしているが、提訴された以上、会社側はキムさんとの和解を模索することになりそうだ。

 趙前副社長は昨年12月5日、米ニューヨークのケネディ国際空港から仁川に向かう大韓航空機内で、キムさんがナッツを袋から出さずにサービスしたことにマニュアルと違うと腹を立て、キムさんらを罵倒し、離陸しようとしていた航空機を搭乗ゲートに引き返させてサービス責任者を降ろした。航空保安法違反などに問われ、先月12日に一審で懲役1年の実刑判決を受けた。

 趙前副社長は判決公判に先立ち、キムさんとサービス責任者に宛てそれぞれ1億ウォンの謝罪金を裁判所に供託したが、二人は受け取っていない。
(ここまで引用)


 どうですか。
 記事を見ると、1審判決前に趙顕娥氏が事務長とこの乗務員の2人に謝罪金を渡そうとしたものの、2人が受け取っていない、ということのようです。

 趙顕娥氏が謝罪金を出すことにしたのは、反省と謝罪の意を形で示し、裁判官の心証を良くして執行猶予刑を勝ち取りたい、という思惑があったのでしょう。

 しかし、2人が受け取りを拒否したことが影響したのかどうかは不明ですが、一審判決は実刑でした。


 想像ですが、この客室乗務員が裁判に訴えた理由は以下のようなものではないでしょうか。

 (1)事件による精神的ショックが大きく、大韓航空機に乗務すること自体が怖くなった。

 (2)大韓航空で働き続けても、おそらく会社側から陰で嫌がらせを受けるのは目に見えている。

 (3)時間が経ち世間が事件を忘れてくれば、「会社側の扱いが酷い」と訴えても、誰も真剣に対応してくれないだろう。

 (4)それなら、趙顕娥氏に対する世間の怒りが強い今、裁判で勝ち取れる限りのものを得よう。それが趙顕娥氏と会社への復讐にもなる。

 (5)韓国の裁判所に訴えても、趙顕娥氏と会社側がカネとコネに物を言わせて裁判所に圧力をかけ、十分に公正な判決を期待できない。それなら事件の現場となった米国の裁判所に訴えた方が有利だ。

 ざっと、こんな感じではないでしょうか。


 もう1つ言えば、趙顕娥氏と会社側は控訴審で何とか執行猶予判決を得ようと全力を傾けていますから、裁判官の心証を良くするために、この乗務員と何とか和解したいでしょう。

 この乗務員にとっても、時間とカネのかかる裁判を延々続けるよりも、高額な和解金をもらえれば、現実的な利益になりますから、裁判と並行して和解交渉が行われると見られます。

 こういう現状を考えても、この乗務員にとって、急いで提訴する必要があったのでしょうね。





posted by 永遠の旅行者 at 19:26 | ソウル ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 格差と対立の韓国社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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