2015年03月07日
米大使襲撃事件で保革対立に向かう韓国 朴槿恵大統領が「背後」の徹底捜査指示、北朝鮮追随勢力の関与疑う?
 マーク・リッパート駐韓米国大使襲撃事件をめぐり、韓国の保守与党・セヌリ党はもちろん、北朝鮮との融和政策を掲げる最大野党・新政治民主連合も一致して、最重要な同盟国「米国」の大使に対する「テロ」を強く非難し、表面上は保守、革新の両勢力とも足並みをそろえているように見えます。
201503 襲撃を受けた米大使.jpg
(襲撃を受けて血を流す米国大使)


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 しかし朴槿恵政権がこの事件を契機に、韓国内の「従北(北朝鮮に従うシンパ)勢力」の関与の有無を含め、背後関係の徹底解明を行う方針を決定。
 これに対し新政治民主連合は、同党関係者やつながりのある革新勢力に政権側が「従北」のレッテルを張り、批判世論を喚起するような「事件の政治利用」を図る可能性を警戒しています。


 一方で、北朝鮮の国営メディアが異例の速さで事件に関する「論評」を発表し、米国大使襲撃は韓国民からの「懲罰」と事態を煽るような刺激的な表現を使ったことについて、「韓国内の保革両勢力の対立を深める狙いがあるのではないか」という見方も韓国の専門家の間で出ています。

 この見方が正しければ、この事件を契機に、一時に比べ沈静化している朴政権と野党勢力の対立が再び激化し、国会が空転したり、大規模デモが頻発するなどして、国防力強化を含め韓国政府の政策遂行能力が著しく低下すれば、金正恩第1書記としては笑いが止まらないでしょうね。


 一方で、事件により韓国は米国に対して大きな「外交的な借り」をつくってしまいました。
 ハンギョレ新聞によると、朴大統領が事件の背後関係の徹底捜査を強調したのを受け、セヌリ党内では「朴槿恵政権の外交が中国に傾倒しているという米国側の不満を意識して(より)強硬に出たのではないか」という解釈も浮上しているそうです。

 いずれにしろ、今回の件で米韓両国とも「同盟」に揺らぎがないと強調するものの、「離米従中」の道をひた走る朴槿恵政権への苛立ちを強めている米国政府が、事件の「被害者」の立場を逆手にとって、水面下で強圧的な姿勢を強め、ミサイル防衛(MD)への韓国参加を従来以上に強く求めたり、在韓米軍への高高度防衛ミサイル(THAAD)配備の即時受け入れを迫ったりしてくるかもしれません。


 朴槿恵政権にとって、中国陣営に鞍替えするのか、米国陣営にとどまるのか、オバマ政権が突きつける踏み絵のハードルがどんどん高くなり、意外に早く「コウモリ外交」が破綻する可能性もありますね。


 まあ、米国としては、韓国を脅しながら言うことを聞かせられれば、多少のワガママは目をつぶるつもりだったのかもしれませんが、さすがに我慢が限界に達しつつあることは先日のシャーマン国務次官発言で相当はっきりしました。

 これに対し、朴槿恵政権の方は「韓国が中国にどんどん接近しても、米国は自らにとって戦略的に重要な韓国を見捨てることはできない」と高をくくっているようです。
 韓国メディアの多くも「米韓関係は史上最高」という朴政権の宣伝をそのまま垂れ流し、「米韓同盟は日米同盟より上位にある」と思い込んでいる大手紙記者や国民は大勢います。


 勘違いも甚だしいのですが、韓国人はどうしても自分の「願望」を他人に押しつけ、その「願望」が事実だと思い込んでしまい、最後はその思い込みに基づいて盲目的に行動する傾向があります。

 韓国紙の報道を見ていれば、大手メディアの記者の中にもこういった性向の人が相当に多いと言うことがよく分かりますよね。


 話が少しずれましたが、米国も当面は、表では「米韓同盟は緊密」と外交修辞を述べながら、圧力をかけて韓国をコントロールしようと努力するでしょうが、完全に行き詰まったと判断すれば、北東アジアの勢力圏をめぐり中国と裏取引し、在韓米軍を撤退させて軍事負担の軽減を図る可能性も十分にあり得ます。

 そうなると、日米濠印などによる対中国包囲網の「前線」は日本列島まで後退しますが、これは日本にとって安保情勢がいっそう厳しくなることを意味します。

 自衛隊増強の必要性など軍事負担が大きく増えるのも間違いありません。


 韓国は現在、済州島に海軍基地を建設中ですが、米韓同盟が解体すれば、この基地に中国軍の艦船が日常的に出入りすることになり、尖閣諸島どころか、沖縄や対馬、九州にとっても大きな脅威となります。

 韓国の事ですから、「反日」が一段とヒートアップし、中国の軍事力を笠に着ながら、「独島(竹島の韓国名)防衛」を名分に日本に対して軍事的な挑発行動を取るのは間違いないでしょう。


 こうしたことを考えると、韓国が日米を困らせる「コウモリ」のような存在であっても、完全に中国陣営に行ってしまわない方が、日本の安全保障にとって利益であることは確かです。
 米韓同盟が維持され、在韓米軍が韓国に駐留する限りは、韓国軍も日本に軍事的な挑発を行うことは出来ませんから。

 日本に取って在韓米軍(在日米軍もそうですが)の最大の存在意義は、韓国軍による「反日」暴走を抑止することだと言っても過言ではありません。


 当面は安倍政権の「韓国放置」戦略で構わないのですが、韓国が将来、中国陣営に行った場合と、日米陣営にとどまった場合の両方のケースを想定しながら、長期的な視点から、日本としての対韓国政策を再構築する必要があると言えます。


posted by 永遠の旅行者 at 18:01 | ソウル | Comment(1) | TrackBack(0) | 米大使襲撃 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
仰るとおりだと思います。

日本人は韓国を‘もう捨て置け!‘と思っていますが、韓国が中国に飲み込まれては日本が困りますね。

それにしても米国は韓国に甘いのではないですか。
中国につけば二度とこちらの世界に戻ってこれない、と恫喝wいえ、悟らせればいいのにと思いますけどね。

シャーマン国務次官は韓国側の言い分に沿うような発言を付け加えたようです。
韓国人の顔色を見るなんておかしい。
いい結果にならないょ。

Posted by あおぞら at 2015年03月07日 21:05
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