2015年02月14日
核弾頭ミサイル開発へ邁進する決意表明か 無人機開発など先端技術も、北朝鮮が党創立70周年記念の決定書
 北朝鮮の朝鮮労働党が党中央委員会政治局会議を開き、先端兵器開発を推進する方針を盛り込んだ決定書を採択しました。

 具体的に明記されてはいないようですが、これは核兵器と弾道ミサイル開発をさらに進め、小型化した核弾頭を搭載した核弾道ミサイルを完成させる方針を確認したものとみられます。


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 さらに韓国に対する偵察活動やテロ攻撃用の小型無人機や、各種のミサイル開発などに一段と力を入れていく決意を示したと受け取れる内容ですね。


 以下はハンギョレ新聞の記事です。

 北朝鮮が精密化、軽量化、無人化された先端兵器を開発すると朝鮮中央通信が13日報じた。

 北朝鮮の朝鮮労働党は10日、平壌で中央委員会政治局会議を開き、朝鮮労働党創立70周年記念する決定書を採択した。金正恩第1書記は就任後、金正日政権時代には有名無実だった労働党政治局会議を通じ国家の重大事と主な案件を決定してきた。

 北朝鮮は合わせて7つの内容を盛り込んだ決定書で、自衛的な国防力を強調し、「現代戦のニーズに合った精密化、軽量化、無人、知能化された朝鮮式の威力のある先端武装装備をより多く開発しよう」と強調した。
 北朝鮮が今回の決定書で、2012年12月の長距離ロケット発射成功を取り上げ、武器の精密化、軽量化などに言及したことから、核とミサイルなどの改良と開発を奨励したのではないかと分析されている。
 しかし軍当局者は「北朝鮮の先端兵器開発能力がどのぐらいの水準なのかは疑問」だとし、「レトリック以上の意味が盛り込まれているかどうかは、これから見守らなければならない」と話した。

 決定書はこれと共に労働党創立70周年(10月10日)と光復70周年を「大政治祝展として輝かせるための祝賀行事を盛大に組織すること」を強調し、「朝鮮人民軍陸軍、航空および反航空軍、戦略軍将兵たちのパレードと平壌市群衆デモを盛大に組織する」と明らかにした。
 これにより、党創立記念日に新しい兵器を披露する可能性も考えられる。

 また、これに先立ち朝鮮総連機関紙である朝鮮新報が「党大会が開かれるかどうかも焦点となる話題」だとしたことからも、今年35年ぶりに党大会が開催されるかについて関心が集まっている。
 党大会が開かれる場合、「金正恩」式統治方式が公表される可能性があるとの分析が出ている。 

 決定書はまた、光復70周年を迎え「自主統一の大通路を開いていこうというスローガンを高く掲げ、米帝の反共和国戦争策動と核、人権謀略騒動を断固粉砕し、対外関係を多角的かつ主動的に拡大発展させよう」と強調した。
(ここまで引用)


 どうですか。
 ハンギョレにコメントした韓国軍当局者は、内心では「北朝鮮特有のレトリックではないか」と思っているようですが、党政治局という重要機関で決定した内容ですので、あまり馬鹿にしない方がよいと思われます。

 おそらく金正恩第1書記が主導して決定したものと考えられますが、北朝鮮は公式に表明したことは、必ず実行するのが通例です。
 特に金正日総書記死後に先端の軍事技術や兵器の開発に成功したことをアピールすることで、自らの権威をより強固にしようと躍起になっている金正恩第1書記のことですから、具体的な計画があるのでしょう。


 前回、事実上の長距離弾道ミサイルであるロケット打ち上げと、核実験を行ってから、2年年あまりが過ぎました。

 北朝鮮はこれまで、2006年10月9日、2009年5月25日、2013年2月12日の3回、核実験を行っていますが、回を重ねるごとに性能を強化しているとみられています。
 特に2013年の実験後、今回の核実験は核兵器の小型化と爆発力の強化を行ったと表明してます。

 爆発の威力について、韓国国防省は核実験が行われた同日に6〜7キロトンとの推定を発表しましたが、ドイツの政府系研究所である連邦地質資源研究所(BGR)は最大で40キロトンに達すると発表。
 同研究所が根拠にした地震規模は包括的核実験禁止条約(CTBT)の規定に従い設けられた核実験監視施設で観測されたもので、この観測結果が正しければ「強化原爆(ブースト型核分裂弾)」のテストだった可能性も出てきます。

 強化原爆の製造技術は小型化や、不純物の多い粗悪なプルトニウムでも有効な核爆発を起こすのに役立つため、北朝鮮の核弾頭開発はかなりのレベルに達していることを示す証拠となります。


 事実、韓国国防部は1月6日に発刊した「国防白書2014」で、北朝鮮の核・ミサイル脅威に関し、核兵器小型化能力は相当な水準に達しており、長距離ミサイル発射を通じて米国本土を脅かしうる能力を保有していると推定しています。

  白書は、北朝鮮は数回の使用済み核燃料の再処理を通じて得たプルトニウム40キロ余りを保有している上、高濃縮ウラン(HEU)の生産計画を進めているとみられ、「3回の核実験を通じて核兵器を弾道ミサイルに搭載できる小型化能力も相当な水準に達しているとみられる」と記しています。


 核兵器の話が続きましたが、小型無人機も韓国にとって脅威となっています。

 2013年10月と14年3月に江原道の三陟(サムチョク)、京畿道の坡州、南北境界水域に近い黄海の白翎島(ペンニョンド)で相次ぎ発見された3台の小型無人機が韓国軍の調査の結果、北朝鮮のものと分かり、大騒ぎになったことがあります。

 なぜなら、無人機は韓国軍の警戒網を簡単にすり抜けてソウルの大統領府上空まで侵入し、偵察撮影を行っていたからです。

 さらに、その気になれば原発などの重要施設に対する自爆テロ攻撃に使用することがきる上、 バーウェル・ベル元在韓米軍司令官がワシントンでの講演で「考えてみれば無人機でも核兵器を運ぶことができる」と警告したことも衝撃を呼びました。


 中央日報などによると、これらの無人機には、韓国、アメリカ、日本、中国、チェコ、スイスなど6か国の部品が使われていることが確認。
  韓国企業の製品としては、三星電子の4M DRAMと‘ハイテクRCD’のサーボモーターが使われていました。
  軍当局者は「無人機に装着されたエンジンや人工衛星位置情報(GPS)受信機、ジャイロセンサー、カメラなどは概して市中で難なく手に入れられるもの」と話しています。

 韓国軍当局は当時、大統領府を撮影した写真5枚があったものの、北朝鮮に伝送されてはいなかった、と弁明していましたが、墜落した3機以外に、韓国軍がキャッチできていない無人機が多数、飛んできていても不思議ではありません。
 韓国側の知らないうちに、大統領府を含む重要施設を撮影して北朝鮮に写真を持ち帰っている可能性もかなりあると思われますよね。

 なにしろ、墜落機の発見で初めて、「北朝鮮無人機による韓国偵察」という事実が発覚したわけですから。


 そういえば2008年4月と2012年9月に、北朝鮮の兵士が南北軍事境界線を超えて、韓国軍の監視所や警備隊の建物までやってきて亡命を申し出たことがありました。
 この兵士が韓国軍施設の出入り口の扉をノックするまで韓国軍兵士はまったく気づかなかったそうです。
 このため、この件は韓国メディアで「ノック亡命」と呼ばれ、安保上の重大問題として論議を呼びました。


 おそらく、こうした韓国軍の隙だらけの警戒網と、国内の混乱ぶりに、金正恩第1書記は大笑いしていたことでしょう。

 彼は、こうした韓国の状況をじっくり観察し、無人機開発に自信を深めているかもしれませんね。


 ちなみに、新兵器といえば、北朝鮮は2013年5月と翌年2月に、口径300ミリの多連装ロケット砲の発射実験を行っています。
 この新型多連装砲は射程距離が最大200キロという「ミサイル級」の能力を備え、従来の多連装砲とは比較でいない性能を持つに至り、韓国にとっては核兵器以上の脅威と言えます。

 北朝鮮は南北非武装地帯近くに多連装砲を集中配備し、有事にはソウルを「火の海」にできる態勢を取っています。

 これは人口が密集する韓国の首都ソウルが南北非武装地帯から50キロほどしか離れていないことを最大限利用して、「ソウル市民を人質に取る」ことで、米軍と韓国軍に北朝鮮攻撃を思いとどまらせる抑止力としているわけです。

 いわば「人間の盾」のようなものですね。


 ところが、新型多連装砲の登場で、米軍と韓国軍はさらに不利になります。

 北朝鮮の開城(ケソン)周辺から発射された場合、韓国の陸海空軍本部が位置する鶏竜台(ケリョデン)が射程圏に入るほか、黄海道から撃っても在韓米軍の烏山(オサン)、平沢(ピョンテク)基地に到達するため、北朝鮮は初戦の奇襲攻撃で米韓両軍の戦力と司令部機能を一気にたたきつぶすことも可能になります。


 弾道ミサイルは狙った目標に正確な打撃を与えることができますが、莫大な開発・運用費用、高価な機体という点で、外貨の乏しい北朝鮮にとっては大きな負担。
 ところが、多連装砲ははるかに安価に大量生産、配備が可能な上、米韓側に発射の兆候を感知される間もなく短時間で大量砲火を浴びせることができます。

 今回の決定書から推測されることは、北朝鮮は有事の際、初戦でソウルはもちろん、韓国中部地域まで「火の海」にできるように、新型多連装砲の開発・配備をさらに推進する計画だ、ということではないでしょうか。


posted by 永遠の旅行者 at 18:05 | ソウル ☀ | Comment(0) | 金正恩の北朝鮮、愛憎渦巻く韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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