2015年02月13日
「THAAD配備は韓国と協議中」と米国防総省報道官が発言 中国傾斜で協力姿勢示さない韓国に圧力か
 韓国は以前から、日米が共同で展開している北東アジア地域のミサイル防衛(MD)に参加するのを避け、対北朝鮮用として韓国式のミサイル防衛を独自に構築するとの姿勢を崩していません。

 なぜなら、日米のMDは北朝鮮だけでなく、中国やロシアの弾道ミサイルに対しても有効(というよりも、実態は対中国用としての比重が大)なため、中国を刺激するのを恐れているからです。


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 米国は前の李明博政権時代から韓国に対し、非公式にMD参加を求めてきましたが、当時はオバマと李明博の関係が良好だったことから、韓国のメンツをつぶすような無理強いはしませんでした。

 ところが、朴槿恵政権に入り、韓国の中国傾斜が米国にとって許容しがたいレベルまで進む中、オバマ政権も堪忍袋の緒が切れつつあるようです。


 オバマ政権は韓国政府の意向を事実上無視する形で、MDの一環としてTHAAD(サード=終末高高度防衛ミサイル)を在韓米軍に配備する計画を事実上、推進し始めたからです。
 当然ですが、THAAD配備には中国とロシアが強く反発しています。


 そして、米国はこれまで、韓国政府の立場に配慮し、米韓がMD問題を水面下で協議していることを公の場で明らかにしたことはなかったのですが、ついにこの縛りを自ら破る行動に出ました。


 米国防総省のカービー報道官が10日の定例ブリーフィングで、記者の質問に答え、「THAADの韓国配備に関し、同盟国である韓国と持続的に協議をしている」と表明しました。

 韓国政府はこれまでTHAAD配備に関し「公式に要請されたことも、議論したこともない」(韓民求・国防部長官)と公言してきただけに、米国防総省報道官の公式発言に強い衝撃が走り、文字通り「非常事態」(韓国メディア)に陥りました。

 中央日報によると、これに追い打ちを掛けるように、米国防総省のポール公報担当官はTHAADについて尋ねる韓国の特派員に「両国政府が非公式的にTHAAD問題を議論しているが、公式的な議論は進行されていない」と説明。
 さらに「すでに韓国内で(THAAD配備関連の)敷地調査を終えただけに、THAAD問題を韓国と非公式的に議論していないと言えば正しくない」と述べたそうです。


 これを読むと、米韓の協議の進行状況や現地調査内容について、安保上差し支えない範囲で正直に答えた、という感じですね。


 ソウルではこの時、「拡大抑止」に関する韓米の運用演習が行われており、ヘルビー米国防副次官補が訪韓中でした。
 同紙によると、韓国政府はヘルビー氏にかみつき、同氏は本国と連絡を取った後、韓国記者団に電話で「米国はTHAADの韓国配備に関連し、公式的にも非公式的にも議論したことがない」と語り、カービー報道官の発言を否定しました。


 韓国政府は、カービー報道官の発言は「事情をよく分からず誤解の余地のある発言をした」などとして、無理矢理、取り繕い、THAADの韓国配備について「米国の決定や米国からの要請はなかった」(外交部報道官)とあらためて従来の立場を繰り返し続けています。


 しかし、カービー報道官の発言は本当に失言だったのでしょうか?

 私は、カービー報道官が韓国に圧力をかけるとともに、韓国世論にTHAAD配備の重要性を認識させるため、わざと米韓協議の状況を暴露してみせたのだと思います。


 おそらく、北朝鮮の金正恩政権の動きに危機感を強めている米軍は、北朝鮮の弾道ミサイルに対する抑止力として早期配備を求めているのでしょうが、韓国政府はのらりくらりと返答をしぶっていると想像されます。

 一方、中国からは「米国の要求を受け入れるな」と半ばどう喝されているため、簡単に米国に「OK」を出すのは不可能で、朴槿恵政権はこの問題をめぐり完全に米中の板挟みになっています。


 米国防総省としては、「このまま韓国を甘やかしていても問題は解決しない」と考え、今回、一喝するつもりでしゃべったのではないでしょうか。


 中央日報によると、ある韓国政府関係者も今回の騒ぎに関し、「米側がTHAADに敏感な韓国国内の世論を知らないはずはない」とし「最近、韓中間にTHAAD配備をめぐりある種の話が行き来したことに不満を抱いた米側の問題提起ではないだろうか」と述べています。
 「韓中間の話の行き来」とは、中国の常万全国防相が4日、韓民求国防部長官に会った席で、議題になかったTHAADの韓半島配備に懸念を表明したことを指しているようです。


 THAAD配備は北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に対抗する上で不可欠な措置で、こうした防衛網なしに弾道ミサイル攻撃を受ければ、米軍に甚大な被害が出るのは火を見るよりも明らかです。

 米国から見れば、韓国防衛のためにリスクを犯して在韓米軍を駐屯させているのに、それを中国の顔色ばかり見て同盟軍を危険にさらすとは「何を考えているのか!」という気持ちなのでしょう。


 米国はもしかしたら、THAAD配備問題について、韓国側が米国との同盟関係を維持する気が本当にあるのかどうかを図るリトマス試験紙として使う意図があるのかも知れません。


 「離米従中」とやゆされる朴槿恵政権の中国傾斜も、かなり危ういところに来ていますね。


posted by 永遠の旅行者 at 15:34 | ソウル | Comment(0) | 膨張中国と対決する日米、従属の韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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