2015年02月12日
韓国地裁、ナッツ姫に懲役1年の実刑判決 世論のガス抜き、刑期最短で八方丸く収めた?
 大韓航空の「ナッツ・リターン事件」で、ついに「ナッツ姫」に実刑判決が出ました。

 乗務員のナッツの出し方に激怒し離陸直前の航空機を引き返させたとして、航空保安法違反など5つの罪に問われた大韓航空前副社長の趙顕娥(チョ・ヒョンア)被告(40)に対する判決公判が12日、ソウル西部地裁で開かれ、聯合ニュースによると裁判所は被告に懲役1年(求刑同3年)の実刑判決を言い渡しました。


スポンサードリンク


 大韓航空を傘下に持つ財閥「韓進グループ」のオーナー一家の娘で、「カネと権力」をほしいままにしたナッツ姫も、そのあまりの横暴ぶりに沸騰した世論の怒りからは逃れることが出来ませんでした。

 韓進グループ側は「カネ」と「コネ」を総動員して裁判所と司法当局に「配慮」を求めたと想像されますが、韓国では憲法の上に「国民情緒法」が存在し、いくら司法エリートといえども、これを無視するのは不可能です。


 ただ、ナッツ姫が問われた航空保安法上の航空機航路変更の罪は、最大で懲役10年まで刑を科すことが可能であるにもかかわらず、検察が懲役3年を求刑し、裁判所が同1年の実刑にしたのは、少し「出来レース」的な臭いもします。


 つまり、「執行猶予」にすれば世論の批判が司法エリートに向かい、検察や裁判所が一気に「強者にへつらう悪者」として国民とメディアから叩かれるのは確実。
 かといって5年も6年もの懲役刑を科せば、担当した検察官や判事はもちろん、司法当局の高官らも将来、韓進グループと、その意を受けた政治家から徹底的な嫌がらせを受けるのは間違いありません。


 もしかしたら、韓進グループから日常的に不正な金品をもらっている検察官や判事、司法官僚がいるかもしれません。
 「カネ」をもらっていれば、それに報いるために、必ず自分の権限、人脈。知識を総動員して「配慮」の方法をひねり出すでしょう。

 今回の「懲役1年」がその回答だったのかもしれません。


 韓国では、例えば「スポンサー検事」という言葉が時々、メディアに登場します。
 これは、財力ある有力者から日常的に金銭的支援を受けている検察官のことを意味します。

 特定の問題解決のために請託を受けたというよりも、「何かあったらよしなに‥」ということで、検察官だけでなく、日常的に金品の提供を受けている官僚はかなり存在すると言われます。

 もちろん、密室のやり取りであり、韓国メディアでも実態はよく分かりませんが。


 韓国では財閥を含め、大手企業のオーナーなら、ほぼ例外なく、政官界はもちろん、司法やメディアの実力者にまでカネを渡しているとされます。
 特に官界では「サムスンのカネは安全」と言われ、他の企業から金品を受け取らない官僚でも、サムスンから提供される便宜供与に関しては受け入れる人が多いと言われています。


 少なくても10年ぐらい前まではそうでしたし、おそらく今もそれほど変わっていないのではないでしょうか。

 つまり、韓国では官僚や司法エリートが企業から多額の金品を受け取る風土が依然としてある、ということです。

 もちろん、清廉な官僚も多くいますし、そういう人が多数派ではあることを期待していますが。


 話は逸れましたが、今回の事件では世論のガス抜きを図るために司法がナッツ姫に「実刑」を科すのを回避することは事実上、無可能でした。
 その一方で、韓進グループ側には「可能な限りのの配慮を行った」と恩を売れるように、懲役期間は最大限短くした、ということではないでしょうか?


 支持率低下に歯止めがかからない朴槿恵大統領としても、おそらく「これで良い」と思っているはずです。
 ナッツ姫が執行猶予になれば、野党勢力から「政権が財閥と癒着している証拠だ」という批判を受けるとみられ、今後の国政運営の負担になりかねないからです。


 いろいろ考えると、「懲役1年」は、韓国社会で八歩丸く収まる絶妙にバランスの取れた判決だった、ということになります。


posted by 永遠の旅行者 at 18:15 | ソウル | Comment(0) | 格差と対立の韓国社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。