2015年02月08日
「世界の貿易体制から疎外される韓国」と朝鮮日報 「経済領土」自慢もTPP不参加で深刻な打撃か
 韓国の最有力紙、朝鮮日報が「『世界経済領土73%』の虛像」と題して、チェ・ウソク産業1部次長のコラムを載せていたので、ここに引用します。

 環太平洋パートナーシップ(TPP)協定に関するもので、経済産業政策の専門記者の視点からの冷静な分析と言えるでしょう。
 日本で今だにTPP反対を唱えている方に、是非とも読んで欲しいコラムです。




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 以下が引用です。

 今年の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議、スイス・ダボスで21日から24日まで開催)の取材では「韓国は大変なことになった」という思いがぬぐえなかった。
 「自由貿易協定(FTA)大国」の韓国が、まかり間違えば世界の貿易体制から疎外される羽目になりそうだからだ。

 ダボス会議では世界約40カ国の首脳、約300人の閣僚、約1500人の企業関係者が4日間にわたり話し合ったが、これまで韓国政府が命懸けで推進してきた2国間FTAには全く関心が注がれなかった。
 関心の的になっていたのは多国間FTAで、その代表は米国と日本が主導するTPPだ。
 韓国政府はこれまでTPPに参加しなくても特に問題はないとの見解を持っていた。「世界経済領土の73%を確保しているから、輸出市場はいくらでも開かれている」という考えがあったからだ。
 「世界の経済領土の73%を確保している」とは、韓国とFTAを締結した国々の経済規模の合計が昨年の時点で世界全体の国内総生産(GDP)の73%を占めたという意味だ。

 ところが、ダボス会議では韓国政府の見方と全く違う話を聞いた。TPPが発効すれば韓国にとって致命的だというものだ。
 それは「累積原産地規則」があるからだ。
 製品生産に使用される部品・素材はTPPの12カ国で生産された物品のみ国産(域内産)と認められるようになる。このため、TPP参加国は累積原産地規則を活用しようと、韓国製部品や素材ではなく、日本などTPP加盟国の製品を使うしかない構造になるのだ。

 問題は、自動車・繊維・電子・鉄鋼など日本と重なる韓国の主力商品のほとんどがこうした危機に直面するようになることだ。
 これを乗り越えるには、遅まきながら今からでもTPPに参加するか、あるいはこれら12カ国に工場を建て、累積原産地規則を避けるかしかない。
 前者は日本が歓迎しないため容易でなく、後者は国内工場の海外移転とそれに伴う国内雇用の減少が懸念される。

 世界経済領土の73%を確保したため、2国間の輸出に支障がないというのは合っている。しかし、12カ国が1つに統合されて巨大な市場を形成し、これらの国々の企業がTPP市場に力を注ぐようになれば、韓国は居場所を間違いなく失う。
 国内の一部には「TPP参加12カ国が複雑な累積原産地規則に合意するはずがない」として、あえてTPPに参加する必要はないと主張する声もある。だが、これは現実を知らないから言えることだ。
 ダボスで会った米国の有名政策コンサルティング会社「マクラーティ・アソシエイツ」のネルソン・カニンガム代表は「TPPは何があっても発効する。韓国が今から参加するのも容易でないだろう」と述べた。

 さらに懸念されるのは、米国と欧州が過去最大規模のFTAとなる環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)を推進するに当たり、カナダと日本を含ませようとしていることだ。
 これにも累積原産地規則が適用されるのは明白だ。TPPから外れ、TTIPにも入り込めなければ、貿易で成り立っている韓国は輸出先をさらに失うことになるだろう。
 「世界経済領土の73%」を一場の春夢(はかない夢)に終わらせないためにも対策が急がれる。
(ここまで引用)

 どうですか。
 このコラムを読むと、米国が自国中心に世界の主要市場を統合し、中国やロシアに対抗していく構図が透けて見えます。
 中国も自ら主導する広域FTA構想を打ち上げており、強引に推進するでしょうから、やがて政治や軍事に続く経済分野での米中対決の主戦場となりそうですね。

 そして、この広域市場統合の流れは、米中どちらの陣営につくか、あるいは二股を掛けるのか、または独自の道を行くのか、その選択を世界のあらゆる国々に突きつけるものと見られます。

 とりあえず、韓国はTPPと距離を置いており、この面でも中国傾斜の状態にあります。
 この前、韓国政府はTPP発効後に参加の是非を検討する方針を表明していましたが、これは朴槿恵政権の間は入らないと言っているのと同じです。

 また、米国もあえて「入れ」とは強要しないでしょう。


 誤解のないように強調すると、米国は経済面で中国との協力関係を続けて行く意思に変わりはないのですが、基軸通貨としてのドルの力を維持し、世界の貿易ルールを米国主導で決定することにも全力を挙げています。

 中国はこの数年、弱点だった国際金融面の強化に乗り出し、通貨「元」による国際決済体制を拡大させるなど、基軸通貨としての「米ドル」に公然と挑戦する動きを見せています。
 基軸通貨は、核戦力と空母部隊を中心とした巨大な軍事力とともに、米国が「世界帝国」として存立するための基盤であり、米国としてはこうした動きを徹底して封じ込める対応を取っていくことも間違いないでしょう。

 その対応の1つがTPPとも言えます。


 どの道、日本は「米国のアジアにおける筆頭子分」としての地位を確実にしながら、米国の力を利用していく以外に生き残る道はありません。
 「平和国家」の理想は高く掲げながらも、冷酷な世界の現実を直視し、「日本の国益」にいかに米国を深く関与させ、足抜け出来なくするかが肝要です。

 まあ、この点、安倍首相はうまくやっていますね。
 ただ、靖国参拝だけは残る任期中、止めた方がいいでしょう。





posted by 永遠の旅行者 at 17:20 | ソウル | Comment(0) | 膨張中国と対決する日米、従属の韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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