2015年02月07日
昨年11月「妥結」の中韓FTA、中国が仮署名引き延ばし 米軍の高高度防衛ミサイル配備に反対させるカードに利用か?
 中国が韓国を日米陣営から引き離し、自分の方に抱き込むための「最強カード」として利用している感のある「中韓FTA」。
 中国は昨年11月の中韓首脳会談で、韓国が強く求める早期の「妥結」宣言を受け入れました。


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 政権運営で苦境に立つ朴槿恵大統領にとって、「中韓首脳外交の大成果」として韓国民に強くアピールできるため、是が非でも「妥結」の言葉を引き出したかっただけに、中国は朴政権に大きな恩を売った形です。


 中国としては、「おまえの言う通りに助けてやったのだから、今後はもっと我が国の命令通りに働け」という朴政権へのメッセージが込められているのでしょうね。


 ところが、「妥結」宣言はしたものの、実際には未解決の問題がまったく詰まっておらず、細部の協議はその後も継続へ。
 やっと昨年12月末に仮署名の日程が決まったと思ったら、今年1月に延ばされた後、再び2月に繰り越される事態になりました。

 韓国経済新聞によると、1月末の仮署名予定日には、中国側がさまざまな言い訳をし並べ「準備ができていない」として、中国側の担当者が訪韓しなかったそうです。


 こうした状況を見ると、おそらく中国は中韓FTAの締結をそれほど急いでいるわけではなく、早期締結を焦る朴政権からさらなる譲歩を得ようと、わざとじらせているのではないでしょうか。

 中国が譲歩引き出しを狙うターゲットは、FTAの対象品目や特例措置を中国有利に持って行くことに限らず、例えば米国が韓国に要求している日米共同ミサイル防衛(MD)への参加や、米軍が韓国配備を計画するTHAAD(高高度防衛ミサイル)の受け入れを最後まで拒否するという韓国の約束である可能性もあります。

 
 MDとTHAADは北朝鮮だけでなく、中国の弾道ミサイルも補足できるため、中国は韓国のMD参加と在韓米軍へのTHAAD配備に強く反対しており、韓国側にも繰り返し、こうした立場を伝達しています。
 特に昨年7月の中韓首脳会談では、中国の習近平国家主席が朴槿恵大統領に対して直接、THAAD配備に否定的な見解を表明しました。

 この習主席の発言は当初、秘密にされていたのですが、しばらくして聯合ニュースが特ダネとして報道し、その後は韓国大統領府も否定せず、事実上追認した状態です。


 話を中韓FTAに戻しますと、当時、無理矢理に「妥結」を宣言した背景には、日米両国が中心になって推進中の環太平洋経済連携協定(TPP)の締結交渉が佳境を迎える中、中国は表明上、韓国の求めに応じて「恩」を売る形を取りながら、実際にはTPPけん制のために拙速であっても「妥結」宣言という先制攻撃を日米陣営にかける狙いがあった、という見方も出ています。


 韓国をめぐる米中の綱引きは、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加問題でも続いています。

 韓国は、「絶対に参加するな」という米国の圧力に負け、発足時の参加は見送ったものの、中国の強い要請を完全には拒否できず、今後の参加の可能性を隠していません。

 中国はこの問題も、FTAの取引材料に使う可能性がありますね。
 中国の韓国接近で喜んでいた朴槿恵政権ですが、米国と中国の間で「命がけの綱渡り」を強いられています。


posted by 永遠の旅行者 at 19:52 | ソウル ☁ | Comment(0) | 膨張中国と対決する日米、従属の韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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