2015年02月07日
韓国、多額の教育費負担で親は悲鳴 社会改革なしに出生率向上は困難
 日本を上回るスピードで少子化高齢化社会に突入しつつある韓国。
 政府は低出産高齢社会基本法に基づき、5年ごとに少子高齢化対策の5カ年計画を策定しているそうですが、日本と同様、有効な手立てはなかなか見つかりません。


スポンサードリンク

 聯合ニュースによると、文亨杓(ムン・ヒョンピョ)保健福祉部長官(日本の大臣に相当)が6日、第3次5カ年計画(2016〜20年)の策定に向けた会議で、来年からの5年間は高齢者扶養の負担が相対的に小さい最後のチャンスといえる期間だとして、人口減少の危機回避に向け総力を挙げると朴槿恵大統領に報告したそうです。


 現在、人口5000万人超の韓国ですが、2017年から生産年齢人口が減少に転じ、18年には総人口に占める高齢者(65歳以上)の割合が14%を突破、その後も加速度的に増えていく見通しです。
 特に20年以降はベビーブーム世代(1955〜63年生まれ)が順次、高齢者の仲間入りをし、国の福祉予算や医療費の急増も見込まれます。

 生産年齢人口が減少すると、内需市場が縮小し経済が右肩下がりになるのは歴史の必然。
 韓国の経済成長も今がほぼピークといえ、これからは厳しい時代を迎えるとみられます。


 その一方で、1人の女性が生涯に産む子供の平均数を示す合計特殊出生率は2013年で1.19と、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中でも最低レベル。
 韓国政府は2020年にはこの数字を1.4まで引き上げるという目標を定めていますが、言わば絵に描いた餅のような状態。


 韓国の企業は1997年のアジア通貨危機後、事業内容や雇用のリストラを徹底し、コアの仕事をする一握りの正社員以外は非正規労働者を使う仕組みが一般的。
 大企業の正社員になれなければ、安い給料でこき使われ、結婚資金も貯められないような生活に甘んじるしかありません。

 このため誰しも、「サムスン、LG、現代自動車」といった超一流企業までは行かなくても、何とか財閥系の大企業に潜り込もうと必死です。
 まずは一流大に入る必要があるため、幼稚園の時から英語塾などに通い、小学生が深夜まで塾で勉強するのも当たり前。
 ソウル大、高麗大、延世大の御三家を頂点とする一流大を目指して、すさまじい競争を続けます。


 当然、父親は生活費を除く給料の大部分を子供の教育費に投入せざるを得ませんし、一流企業に内定をもらうには海外留学も不可欠。
 留学は多くの場合、母親も付き添うので、父親は1人でラーメンをすすりながら必死で仕送りを続けることになります。
 時折、精神を病んで自殺する父親のニュースも目にしますが、本当に経済的にも精神的にも悲惨な生活ですね。

 で、普通のサラリーマンには、こうした教育を何人もの子供に行うカネは稼げませんので、結局、子供は1人だけにするしかなくなります。


 日本も受験競争が激しく、「学校歴社会」と揶揄されますが、韓国は日本の比ではありません。
 1回の大学入試で、本当に「人生がすべて決まってしまう」と言っても過言ではありません。

 そのため、毎年11月の「大学修学能力試験」(日本の大学入試検定試験に相当)の日には、多くの母親が試験会場の前まで付き添って祈りを捧げますし、旅客機は試験会場上空を避けて飛行。
 遅刻しそうになった高校生はパトカーが会場まで送り届けてくれるほど、社会全体が緊張に包まれる1日となります。


 日本では一流大学に入れなくても、新興企業で成功する道もありますし、大企業でも「学歴不問」というところがそれなりにありますが、韓国人は文字通り「命がけ」なのです。
 最近は日本企業も非正規雇用が増えて問題となっているものの、韓国企業に比べれば、まだまだ「ヒトに優しい」経営のところが多いといえます。


 話は逸れましたが、とにかく韓国の場合、出生率を上げようとすれば、「財閥」と呼ばれる一部の巨大企業グループが国の経済を牛耳るような経済構造を改革するしかありません。

 財閥企業とその他の企業では、売り上げや営業利益に雲泥の差があるため、待遇格差も非常に大きく、「入社するなら財閥」となるわけです。
 例えば、サムスンの入社試験に毎年、20万人以上の若者が殺到する、といった信じがたいバカ騒ぎが繰り広げられます。


 朴槿恵大統領は選挙公約で「経済民主化」を掲げ、財閥の経済独占を改革し、中小企業などにも幅広く経済発展の果実が行き渡るようにすることを表明しましたが、いつの間にやら忘れ去られました。
 そればかりか、景気悪化で背に腹は代えられず、むしろ財閥への依存度を高めるような兆候も見られ、野党寄りのメディアから批判を受けています。


 また、韓国の若年層の就業率は昨年40.7%で、経済協力開発機構(OECD)平均の50%に比べてかなり低い数字です。
 これは、徴兵制度の影響で大学卒業が遅くなったり、在学中に留学するケースが多いことも影響しているのでしょうが、基本的に大学を卒業しても正社員として就職するのが結構、難しいという現実の一端を示しています。

 就職が遅れれば、必然的に結婚も遅くなりますし、非正規雇用から脱出できない若者の中には結婚したくてもカネがないため、泣く泣く結婚をあきらめる男性も増えています。


 ここまで見てきたように、出生率を上げるには韓国社会の大改革が不可欠ということになりますが、レムダック化した朴槿恵大統領にはもはや望むべきもありません


posted by 永遠の旅行者 at 03:38 | ソウル | Comment(0) | 格差と対立の韓国社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。