2015年01月31日
「イスラム国」、湯川さん殺害で「日本」揺さぶる当初目的は達成 後藤さん人質交換要求は死刑囚釈放へ日本の圧力利用狙う

 イスラム過激派組織「イスラム国」とみられるグループによる日本人人質事件は、ジャーナリストの後藤健二さん(47)と、ヨルダンが収監しているサジダ・リシャウィ死刑囚の交換の期限が過ぎました。

 日本人とは別に、拘束されたヨルダン軍パイロットが生存している証拠を示すよう強く求めるヨルダン政府に対し、「イスラム国」から具体的な反応はありません。


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 ヨルダン政府としては、日本人の人質のことはさておき、最優先するのは自国民の解放であり、これは当然のことでしょう。
 このためヨルダン政府は、パイロット解放に使える「最大のカード」である同死刑囚の釈放を、何の確証もなく実施するわけにはいかず、両者はにらみ合いの様相ですね。


 今回の人質事件で「イスラム国」は当初、後藤さんと湯川遥菜さん(42)の日本人2人を人質に取り、解放の条件として、身代金2億ドルを要求しましたが、湯川さん殺害後は一転して、サジダ・リシャウィ死刑囚との「1対1」の交換を求めてきました。


 以前にもこのブログで触れましたが、今回の日本人人質事件は、単なる身代金目的ではなく、「対テロ戦」を闘う米国主導の有志国連合から日本を脱落させるとともに、各国の結束を揺さぶる狙いがあったことは確実です。

 日本国民に恐怖心を抱かせ、「対テロ戦」に及び腰になるよう仕向けるとともに、「日本」をターゲットとすることで国際社会の注目を一手に集め、自らの存在感を世界にアピール。
 ひいては、先進国を含む豊かな諸国で自国社会に不満を持ち、「イスラム国」に関心を寄せている若者を戦闘員などとしてリクルートする広告宣伝活動でもあったとみられます。


 そういう意味で、「イスラム国」側も日本がおいそれと身代金を支払うわけがないと思っているからこそ、普通の民間人に「2億ドル」という現実離れした法外な値をつけたのでしょう。

 「2億ドル」という高値も、主要なメディアを驚かせて、ニュースを大きくすることができると分析して付けた「戦術的な計算」だったのではないでしょうか。

 こうした脈絡で言えば、「イスラム国」は、人質2人のうち湯川さんを殺害したことで、当初の目的は達成したと考えていると推定できます。


 その結果、おそらく、残る後藤さんを「最大限に有効活用する」という観点から、サジダ・リシャウィ死刑囚との交換を提示してきたのでしょう。
 同死刑囚は「イスラム国」にとっては、実際に重要人物ですから、これは「2億ドル」の話とは違い、本当に交換を実現させたいと思っているはずです。


 相手は、その辺の弱小国とは違い、米国陣営の中で重要な位置を占める「日本」という大国、しかもヨルダンとの関係も緊密な「金持ち国」。
 ヨルダン政府が同死刑囚釈放に相当、慎重であることをよく知っている「イスラム国」は、「日本」というカードを切ってきたわけです。

 事態を「日本人と死刑囚の人質交換」という構図にすることで、日本政府からヨルダン政府に死刑囚釈放に向けて圧力を掛けさせる一方で、ヨルダン政府に対しては、要求に応じなければパイロットを殺害すると脅すことで二重に圧迫するわけです。


 「イスラム国」は、われわれが考えている以上に、インターネットを使った広告宣伝力や、国際情勢を巧みにつく交渉術に長けているようですね。


posted by 永遠の旅行者 at 18:37 | ソウル | Comment(0) | 海外から見る日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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