2015年01月22日
韓国、年末調整で「増税」実感した国民の不満爆発 事前説明でごまかし? 政府は事態収拾に大わらわ
 韓国では毎年1月に、日本の年末調整に当たる「年末精算」が行われるのですが、今年は方式が「所得控除」から「税額控除」に切り替わり、混乱が生じています。

 特に、政府がこれまで「増税にならない」と約束していたのに、実際に「年末精算」が始まると、自分の税額が従来よりも増えていると実感した国民の不満が爆発。

 慌てた朴槿恵政権は、崔Q煥(チェ・ギョンファン)副首相兼企画財政部長官が20日に緊急記者会見を開き、釈明を行ったの続き、大統領府も予定になかった会見を行うなど事態の収拾に乗り出しましたが、世論の反発は収まりそうにありません。


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 支持率低下が続く朴槿恵大統領にとっては、また頭の痛い問題が持ち上がりましたね。

 MBCテレビによると、与党セヌリ党と政府の緊急協議の結果、結局、4月の臨時国会で税制を再改正し、その内容が今回の「年末精算」にも反映される措置を取る方針を決めました。

 再改正の内容の是非とは別に、国民の受けが悪いからといって、一度実施に移した改正税制をいとも簡単にひっくり返すというのは究極のポピュリズムです。
 まあ、そうしないと朴槿恵政権が持たないところまで来た、ということでしょう。


 「国の根幹である税制」をめぐる不手際だけに、野党は政権に対する攻勢を強め、国民もこれまで溜め込んだ不満をさらに爆発させる可能性もあります。

 再改正は、控除枠をより拡大する内容という話ですが、これだけで事態が収まるかは不透明。
 ここまで問題がこじれると、韓国人の国民情緒からすれば、政府が何をやっても必ず「不公平だ」という声が出るはずです。


 今回の騒ぎをめぐっては、再改正の話が出る前から、野党寄りのメディアは「増税だ」と反発する世論の高まりに「それ見たことか」と「嘘つき政府」批判を展開。
 政権寄りのテレビや保守系メディアも国民の怒りの声を取り上げていました。

 税金問題に取り組む市民団体は、「勤労所得者の増税反対」の署名運動を展開しています。


 新年記者会見で、経済重視の国政運営にあたることを表明したばかりの朴大統領にとって、尻に火がついた感じになりました。


 税金の専門的なことは私もよく分かりませんが、要は、税制改正の際に政府が所得階層別に国民が負担する税額のシミュレーションを出して説明したのですが、実際に年末精算が始まると、負担する税額が説明より増えていたため、騒ぎが起きたのです。


 かなり広い給与所得層で、額の大小はあっても「増税」になるケースがあることを事前にきちんと説明しておけば、こういった騒ぎにはならなかったんでしょうけれど、当時、政府が「増税」を強調できない理由ががあったのです。

 野党寄りのハンギョレ新聞は、この点について「朴槿恵大統領が『増税なき福祉拡大』を公約して当選したことが根底にある」と断定しています。


 朴大統領の福祉拡大は、巨額の財源の手当がつかず、結局は公約通りには実現しなかったのですが、それでも高齢者への基礎年金支給など、一定の成果を出すために、新たな財源が必要でした。
 そのため政府は非課税や課税減免の縮小を進め、こうした措置によって増えた税収増は建前上、「増税」とは呼ばなかった、というのです。
 この「年末精算」の方式変更に伴う税収増もそうです。

 まあ、前にも書いたタバコの増税の場合、一気に価格が2倍近くになったものもあり、喫煙率の高い中・高年男性にとっては「税金爆弾」と感じられるものでした。
 それと住民税の増税もありました。


 何はともあれ、大統領選で公約したことに固執したものの、完全な実現に失敗。
 失敗を小さく見せようと、小手先のごまかしをやったため、さらに窮地に陥った。

 そんなところでしょうか。

 どこかで見たような話ですね。
 そう、日本の民主党政権。


 マニフェストでバラ色の項目を並べ、子ども手当など福祉拡大を約束しましたが、まともに実現できませんでした。
 そして、最後にやったのは消費増税の決定だけ。(笑)


 私は消費増税に賛成なのですが、政府はそれ以前に地方議員と公務員の定数・給与の削減など行政改革をやるべきでしょう。
 消費増税で公務員だけはしっかり給与が増えていますね。

 公務員のやる気をそぐのはダメですが、今のお手盛り状態はいただけません。


 話を元に戻すと、公約破りでも、国民が嫌がる話でも、朴大統領が早めに謝罪と説明をしておけば、ここまでこじれなかったかもしれません。

 ハンギョレ新聞も「高所得層に恩恵が多い所得控除を、税額控除に切り替える政策の方向は正しかったが、その過程で税金が増える事実上の増税効果を政府が率直かつ透明に説明しなかったことが失敗の原因だ」と指摘しています。


 韓国は、昨年から電気・水道・ガス料金、タクシー運賃などの値上げが相次いでおり、国民の反発がさらに広がりそうです。


posted by 永遠の旅行者 at 00:37 | ソウル ☁ | Comment(0) | 格差と対立の韓国社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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